「老人性うつ」で知っておきたいこと…米国の調査では高齢者の10%が該当
「高齢者はどこかひとつバランスを崩すと、ほかの臓器にも影響し、身体的なつらさが増す。それが精神状態に影響を与え、うつ病へと至るケースもあります」
高齢者は、うつ病の要因をたくさん抱えているとも言える。アメリカの研究では、65歳以上の高齢者の10%には何らかのうつ病性障害が認められるという報告がある。
では、高齢の親がもし「老人性うつ」だった場合、早くに発見するにはどういうことを知っておくべきか?
「先ほども述べましたが、高齢者のうつでは身体症状(不定愁訴)が先に強く出てくるケースが多いのです。病院で検査を受けたが異常は見つからなかった場合は、うつ病が背景にあることを疑った方がいいでしょう。検査では原因がみつからない不定愁訴は、自律神経失調症と診断されがち。そう言われた場合も、心療内科または精神科、高齢者のうつ病をよく診ている内科などで、診てもらうことをお勧めします」
身体症状の出たタイミングが、配偶者の死、親しい友人の死、定年退職など「うつ病を発症しやすい状況」と同時期であれば、よりうつ病が疑われる。