「老人性うつ」で知っておきたいこと…米国の調査では高齢者の10%が該当

公開日: 更新日:

「高齢者のうつ病では、一般的なうつ病と比べて身体症状がより強く出やすい印象があります。疲労感、倦怠感、動悸、めまい、頭痛、胃痛といった不定愁訴です。病院で検査を受けても画像上は悪いところが見つからない。『年のせい』と見過ごされてしまいがち」

 渡辺さんも上島さんも正式な発表があるわけではないので、当然ながら原因を老人性うつとは言えない。また、上島さんは61歳で“老年性”には入らない。

 しかし、個人差はあるものの60歳を越えたあたりから、加齢に伴う身体機能や認知機能の低下を実感し、喪失感を覚えることが増えてくる。これがストレスとなり、うつ病を招きやすくなる。

■身近な人を亡くしたときは要注意

「さらに、定年や仕事の減少などで、社会的な役割喪失への不安も生じる。年を重ねるほどに、配偶者や親しい友人など、身近な人を亡くす経験も増える」

 うつと生活習慣病との関係も明らかになっている。老人性うつのリスクとして、喫煙、拡張期血圧肥満高血圧糖尿病が知られている。特にうつ病と糖尿病は相互関係にあり、うつ病の人の糖尿病の発症リスクは1.6倍、糖尿病の人ではうつ病発症リスクが1.15倍との報告がある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  2. 2

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  3. 3

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 4

    「べらぼう」大河歴代ワースト2位ほぼ確定も…蔦重演じ切った横浜流星には“その後”というジンクスあり

  5. 5

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  4. 9

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  5. 10

    高市政権の「極右化」止まらず…維新が参政党に急接近、さらなる右旋回の“ブースト役”に