緑茶がうつ病を吹き飛ばし睡眠や記憶を改善 専門家が解説
日本茶が恋しい季節がやってきた。とくにいまは新型コロナウイルス感染症の拡大で世の中が騒がしく、心が乱れがち。それだけに、手軽に心と体に良い作用をもたらす「お茶」の力を利用したい。その健康効果について近年、多くの医学者たちが研究論文を発表している。うつ病の治療・予防を専攻している帝京大学医学部(精神神経科学講座)の功刀浩教授もそのひとり。日々、たしなむ日本茶のどんな成分が、健康効果をもたらすのか。改めて功刀教授に聞いてみた。
日本のお茶の歴史は鎌倉時代の初期にまでさかのぼる。
お茶は製法や加工によって種類も豊富だ。新芽を蒸し、揉みながら乾燥させる「煎茶」は、朝夕の食卓に欠かせない一品。お茶といえば、一般的には急須で湯飲みに注ぐ、この煎茶を指す。このほか、「深蒸し茶」「玉露」などがある。
緑茶をベースにしたこれらの茶には、種類によって含有量に差があるが、特異の成分を持つ。代表的な成分は、まず「カテキン」(渋味成分)、「カフェイン」(苦味成分)、それに「テアニン」(甘味成分)の3種である。