著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

非O型のフィブリン血栓脳梗塞リスクはO型の1.5~2.0倍

公開日: 更新日:

 ただし、血小板が凝集すると、それにつられて周辺のフィブリン分子が繊維を作って血栓を補強するため、ある程度は形と大きさが保たれます。

 血小板血栓による脳梗塞は、比較的細い血管が塞がれるため、症状がゆっくりで救命率が高く、また後遺症も比較的軽いといわれています。

 急性心筋梗塞については、冠動脈(心臓に酸素と栄養を供給する動脈)の動脈硬化、つまり血小板血栓が主な原因です。心臓の構造上、心房細動でできたフィブリン血栓は、冠動脈に紛れ込みにくくなっています。そのため、フィブリン血栓による急性心筋梗塞は少ないのです。

 ただし、心房細動が多くなると心臓全体の機能が低下し、心不全になりやすいといわれています。

 フィブリン血栓による脳梗塞は、当然ながら非O型に生じやすいと考えられます。また血小板血栓についても、フィブリンによる補強という点では、やはり非O型のほうが不利であると考えられます。

 実際、多数の研究によって、そのことが確認されています。最近の研究では、フィブリン血栓の脳梗塞は、非O型のリスクがO型の1.5~2.0倍、血小板血栓の脳梗塞については1.1~1.2倍、急性心筋梗塞は1.2倍ほど、リスクが高いとされています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省と自治体に一喝された過去

  2. 2

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  3. 3

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  4. 4

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  5. 5

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  1. 6

    清水賢治社長のセクハラ疑惑で掘り起こされるフジテレビの闇…「今日からシリケン」と“お触り続行”の過去

  2. 7

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  3. 8

    千葉を「戦国」たらしめる“超過密日程”は今年の我が専大松戸に追い風になる手応えを感じています

  4. 9

    趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学

  5. 10

    参政党が参院選で急伸の不気味…首都圏選挙区で自公国が「当選圏外」にはじかれる大異変