非O型のフィブリン血栓脳梗塞リスクはO型の1.5~2.0倍
ただし、血小板が凝集すると、それにつられて周辺のフィブリン分子が繊維を作って血栓を補強するため、ある程度は形と大きさが保たれます。
血小板血栓による脳梗塞は、比較的細い血管が塞がれるため、症状がゆっくりで救命率が高く、また後遺症も比較的軽いといわれています。
急性心筋梗塞については、冠動脈(心臓に酸素と栄養を供給する動脈)の動脈硬化、つまり血小板血栓が主な原因です。心臓の構造上、心房細動でできたフィブリン血栓は、冠動脈に紛れ込みにくくなっています。そのため、フィブリン血栓による急性心筋梗塞は少ないのです。
ただし、心房細動が多くなると心臓全体の機能が低下し、心不全になりやすいといわれています。
フィブリン血栓による脳梗塞は、当然ながら非O型に生じやすいと考えられます。また血小板血栓についても、フィブリンによる補強という点では、やはり非O型のほうが不利であると考えられます。
実際、多数の研究によって、そのことが確認されています。最近の研究では、フィブリン血栓の脳梗塞は、非O型のリスクがO型の1.5~2.0倍、血小板血栓の脳梗塞については1.1~1.2倍、急性心筋梗塞は1.2倍ほど、リスクが高いとされています。