著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【野沢菜】ビタミンC豊富でシミ・しわなど老化防止に効果あり

公開日: 更新日:

 長野県の特産野菜でもある野沢菜。18世紀に野沢温泉村にある健命寺の住職が京都から持ち帰った天王寺蕪の種子を栽培したところ、長野県の気候や土では根菜部分が大きくならず、葉が1メートル近くまで大きくなり利用し始めたという説がよく聞かれます。

 最近、遺伝子研究が盛んになり、天王寺蕪の子孫ではなくシベリア経由で入ってきた西洋系のアブラナ科野菜の一種とみられる説も浮上するなど、さまざまなルーツがあります。野沢温泉村だけでなく、周辺地域でも広く栽培されるようになり、別名「信州菜」としても有名です。

 そんな野沢菜に含まれる栄養素の中で、他の葉物野菜と比較してダントツに多く100グラムあたり41ミリグラム含まれるのがビタミンCです。シミやしわなどに有効で、がんや老化の予防、鉄の吸収を助ける作用もあります。また、ビタミンC同様、抗酸化作用を持つβカロテンも生の葉100グラム中に1200マイクログラム含まれます。βカロテンは、皮膚や目の健康維持、免疫機能向上に役立つビタミンAとしての働きも持つため、体調を崩しやすいこれからの季節にぜひ食べておきたい野菜です。マウスの実験にはなりますが、野沢菜の葉と茎から抽出した成分に、免疫力を高める効果があることが報告されています。βカロテンは油に溶けやすい性質を持っているので、野沢菜を油炒めにしたり、肉や魚など脂質の多い食材と調理したりすると、効率よく摂取することができます。

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