著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【タラコ】ビタミンとミネラルが豊富も塩分の過剰摂取に注意

公開日: 更新日:

 タラコの始まりは明治の後半あたり。真鱈(まだら)の不漁の年に、卵巣を塩蔵して食べたのがきっかけといわれています。日本で流通・消費している魚卵加工品の約60%を占め、主にスケトウダラがタラコの原料として用いられています。厳密に“タラコ”と呼べるのは卵巣の半腹分で、二房一対ある卵巣はじつはタラコの原料という指し方をするそうです。

 年中目にするタラコですが、旬は11月から1月の産卵期ですから、まさに今の時季! とても旬が短いので、日本で取れ加工されたタラコは大変価値が高いといえます。スーパーなどで流通する約9割はロシアやアラスカからの輸入品を凍結し、日本で加工しているものがほとんどです。

 ちなみに、タラコの半分以上は辛子明太子の原料として利用されており、純粋なタラコとしての流通は4割程度だそう。日本では一般的に塩蔵したものをタラコ、唐辛子や酒、ダシで漬けたものを明太子と区別していますが、韓国では鱈のことを明太(ミョンテ)と言い、その子なので明太子と呼ばれているそうです。

 さて、そんなタラコの栄養価は、体をつくってくれるタンパク質はもちろん多いのですが、それ以上にビタミンやミネラルが豊富なのが特徴です。生タラコ40グラム(小さめのタラコ1本分、タラコスパゲティ約1人分)で、貧血を予防するビタミンB12、糖質脂質を燃やしてエネルギーをつくり出したり、二日酔いの原因物質を分解する働きのあるナイアシン、抗酸化作用がとても高いセレンは、一日の必要量以上を満たしてしまいます。また、体内の脂質酸化を防いでくれるビタミンEも一日の9割ほどの必要量をカバーしてくれる優れものです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…