寝起きに足の踵がひどく痛む…その症状は「足底腱膜炎」かもしれない
「年々、患者数は増加しており、当院では多くて年間500人程度の足底腱膜炎の患者が来院します。仕事柄、革靴を履く頻度が高い30~60代の男性に多い印象があります。30代でランニングを始め、40、50代になったタイミングで足底腱膜炎を発症するケースも多いです」
都立大整形外科クリニックでは、足の治療を要する疾患のうち約2~3割程度を足底腱膜炎が占めており、かなり身近な疾患であることが驚きだ。
悪化した場合、長く続く痛みのためベッドから起き上がらなくなるなど自発的に動かなくなり、体力や筋力が落ちて生活意欲が低下し、健康寿命に影響が出る可能性もある。
発症を防ぐためには、日頃から足指のトレーニング、ストレッチ、足の形に合ったインソールの使用などが有効だ。
「歩行時に足底全体がピンと張る感じや、寝起きに足の違和感、長時間の歩行で痛む、踵を押して痛む場合は足底腱膜炎の可能性があります。少しの痛みでも感じた場合は、まずは整形外科を受診してみてください」
診断は主に問診や診察、レントゲン検査、超音波検査で腫れや炎症を確認する。場合によってはMRIを用いて、より精密に炎症の程度や範囲、腱の損傷度合いを判断し診断される。