寝起きに足の踵がひどく痛む…その症状は「足底腱膜炎」かもしれない
朝、目が覚めて、起き上がろうと一歩踏み出した途端、足の裏に痛みを感じた経験はないだろうか。ランニングの習慣があったり、革靴を履く頻度が高い人は「足底腱膜炎」の可能性がある。「都立大整形外科クリニック」の理学療法士・小尾尚貴氏に聞いた。
「足底腱膜炎」とは、踵の骨から足の指に向かって広がる足底腱膜が踵にくっついている部分で起こる炎症が主な原因である。足底腱膜が硬くなることで、伸び縮みの動作がスムーズに行えず、足の裏に痛みが生じてしまうことがある。
足底腱膜が硬くなる理由としては、足裏に過度な負荷がかかることが挙げられる。
近年の靴の発達や、足指の機能低下などから、現代人は足のアーチを維持する力が弱くなっているという。このアーチ機能が低下すると、地面からの衝撃を受けやすくなり、足底腱膜への負担も多くかかる。
過度なランニングやジャンプを行うオーバーユーズなど、足底に過剰なストレスがかかり、発症するケースが最も多い。ほかにも、アスファルトなど硬い地面上での運動、サイズが合わない靴を履いて足裏に負担がかかることも原因になる。長時間の歩行や立ち仕事、加齢や肥満、履き慣れていない靴の使用などさまざまな要因によって誘発するとされている。