膝の運動は短時間でも効果的…30分も90分もほぼ同じ
変形性の膝関節症というのは、膝の関節の半月板と呼ばれるクッションがすり減り、関節が炎症を起こして痛みを伴うつらい病気です。進行すると歩行も困難となり寝たきりの原因にもなりますから、痛みがあったら早めに対処することが重要なのですが、そこで推奨されている方法のひとつが運動療法です。
もちろん、痛みが強い時には困難ですが、少し負荷をかけて膝の曲げ伸ばしをしたり、軽いジョギングや自転車こぎなどの運動を適宜組み合わせて行うことにより、症状は改善し進行も予防されることが報告されています。それでは、こうした運動はどのくらいの時間行うことが、最も効果的なのでしょうか?
今年の米国内科学会の専門誌に、スウェーデンとノルウェーで行われた臨床試験の結果が発表されています。変形性膝関節症の189人の患者に、1回で20~30分の短い運動プログラムと、70~90分の本格的なプログラムに分けて、週に3回の運動療法を専門の運動療法士の下で行い、3カ月の治療の効果を比較しました。すると、どちらの運動療法も、症状の改善に結び付いていて、短時間の運動でも長時間の運動と比較して、ほとんどその効果に違いは見られませんでした。
これは専門家の指導の下に専門施設で行われた運動療法ですから、単純に比較はできませんが、膝の運動は短時間でも十分、効果的だと考えていいようです。