著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【誤嚥性肺炎】死因6位に…独立してカウントされるようになった

公開日: 更新日:

 気管の入り口にある「喉頭蓋」は、われわれが食物や唾などをのみ込むとき、反射的に気管に蓋をして、食物などを食道に導く役割をしています。ただ、ときには誤って食物や唾などが気管に入ってしまう場合があります。このときには、咳き込んだりすることで誤って入った異物を気管から外に出すように体の機能が働きます(=むせ)。

誤嚥肺炎」は誤って肺の方に食物や唾などが落ちてしまった(誤嚥)後に起こる肺炎で、高齢者や脳血管障害の後に起こりやすいとされています。

 たしかに、高齢者は咳反射する能力も低下しますし、嚥下筋の筋力や咀嚼力、唾液量なども低下し、誤嚥が起こりやすい状態となっているのです。また、高齢者は気管の感覚低下から、「むせない誤嚥(不顕性誤嚥)」を起こしてしまい、発熱などの自覚症状も少ないまま肺炎を起こしているケースも見られます。

 ヒトの気管は右肺につながる右気管支と、左肺につながる左気管支とに分かれるのですが、右気管支は左気管支よりも太く垂直に近い構造をしているため、右気管支の方が誤嚥しやすくなるといわれています。そのため、誤嚥性肺炎は右の肺に起こりやすいとされます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ