著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「リア充」でない人はネット上でも対人関係をうまく築けない

公開日: 更新日:

 インターネットが登場し普及したことで、あらゆるものが激変しました。それに伴い、学術的な分野でもネットにまつわる研究量が目に見えて増えました。

 ネット社会では雄弁だったり攻撃的だったりする人が、現実社会ではおとなしい。あるいは、ネットとリアルでは行動や態度が異なる──。ネットの世界になると人格や行動が変わるのではないか? こう考える人は多いと思います。

 しかし、カーネギーメロン大学の研究(1998年)では、現実社会で人間関係が豊かな人はネットでも人とつながりやすく、苦手な人はネットの中でも孤立しやすい……と指摘されています。つまり、リアルに充実している人(リア充などと呼ばれる人たち)はネットでも同じように充実し、実生活が満たされていない人は、ネットでも同じ傾向になるというのです。

 研究では、インターネットが浸透し始めた1998年、73世帯を対象に1~2年間にわたり、ネットの影響が、どれほど社会的関与と心理的幸福に関係しているかを調べました。

 その結果、内向的な人にとってインターネットの利用は、家族とのコミュニケーションの低下をもたらすだけでなく、交流するコミュニティーの規模を縮小させる傾向も分かったといいます。また、うつ病の罹患リスクや孤独感が増加する可能性も報告されています。彼らはその後も調査を続け、「Rich get richer model」を提唱します。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 2

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    安倍元首相銃撃裁判 審理前から山上徹也被告の判決日が決まっている理由

  5. 5

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  1. 6

    マツコ・デラックスがSMAP木村拓哉と顔を合わせた千葉県立犢橋高校とは? かつて牧場だった場所に…

  2. 7

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」