著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「リア充」でない人はネット上でも対人関係をうまく築けない

公開日: 更新日:

 これは、現実生活で対人関係や社会的資源に恵まれている人は、ネット上の対人関係の中でも社交的に振る舞う傾向にあるため、ネットの利用で、現実生活での社会的な関わりをさらに広げると考察するものです。ネット利用を経て、より現実生活に増幅されながら還元されるのです。

 たとえば、ツイッター(エックス)やユーチューブなどで有名人が何かしらの企画をしたとき、より多くの人との関わりを獲得し、さらに人気が向上するなどは、分かりやすい例でしょう。半面、現実世界で人間関係などに乏しい人は、ネットの世界でも井の中の蛙になりやすい。

 リア充の方がネットを上手に使いこなし、さらに現実社会で自分を社会的、金銭的にレベルアップさせるというのは皮肉ですが、こうした背景こそ、どこでも誰とでもつながれるインターネットの特性と言えます。昨今は、月額会費制のWEB上で展開されるコミュニティー「オンラインサロン」などがありますが、著名な方がサロンを開くケースは「Rich get richer model」と言えるでしょう。


 この研究は、インターネットだけに自分の居場所を求めても、根本的な解決にはならないことを示唆しています。現実社会での立ち居振る舞いがあるから、インターネットは生きてくる。改めて科学的に説明されると耳が痛い話かもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭