「リア充」でない人はネット上でも対人関係をうまく築けない
これは、現実生活で対人関係や社会的資源に恵まれている人は、ネット上の対人関係の中でも社交的に振る舞う傾向にあるため、ネットの利用で、現実生活での社会的な関わりをさらに広げると考察するものです。ネット利用を経て、より現実生活に増幅されながら還元されるのです。
たとえば、ツイッター(エックス)やユーチューブなどで有名人が何かしらの企画をしたとき、より多くの人との関わりを獲得し、さらに人気が向上するなどは、分かりやすい例でしょう。半面、現実世界で人間関係などに乏しい人は、ネットの世界でも井の中の蛙になりやすい。
リア充の方がネットを上手に使いこなし、さらに現実社会で自分を社会的、金銭的にレベルアップさせるというのは皮肉ですが、こうした背景こそ、どこでも誰とでもつながれるインターネットの特性と言えます。昨今は、月額会費制のWEB上で展開されるコミュニティー「オンラインサロン」などがありますが、著名な方がサロンを開くケースは「Rich get richer model」と言えるでしょう。
この研究は、インターネットだけに自分の居場所を求めても、根本的な解決にはならないことを示唆しています。現実社会での立ち居振る舞いがあるから、インターネットは生きてくる。改めて科学的に説明されると耳が痛い話かもしれません。