中性脂肪が多い方が認知症になりにくい? 神経医学専門誌で報告
コレステロールと中性脂肪はどちらも血液中に存在する脂質で、体で重要な役割を果たしている成分ですが、その過剰はいずれも動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中などの病気のリスクを高めるといわれています。実際に心筋梗塞を起こした人が、薬でコレステロールを低下させると、その再発が予防されることが確認されています。
動脈硬化の進行は、認知症のリスクとしても重要です。そのことからは、血液中のコレステロールや中性脂肪を下げることが、認知症の予防にもつながると考えられます。ところが、実際には高齢者ではコレステロールが少し高めである方が、認知症が少ないと報告されています。
それでは、中性脂肪についてはどうなのでしょうか? 今年の神経医学の専門誌に、1.8万人以上を解析した研究結果が報告されています。
それによると、65歳以上の年齢では、血液中の中性脂肪が少し高めである方が、認知症になるリスクは低くなっていました。つまり、コレステロールも中性脂肪も、たしかに中年くらいまでの年齢では、低い方がより病気のリスクも低いのですが、高齢者ではむしろ少し高めである方が、認知機能の低下には結びつきにくいようなのです。
もちろん、これは「やや高い」場合の話で、極端に高い場合には当てはまらないので、その点には注意が必要です。
何事もほどほどが大切であるようです。