「変形性膝関節症」痛みを抑える新たなメカニズムがわかった

公開日: 更新日:

 保存療法で症状の改善が見られない場合に適応される人工関節置換術は、痛みを安全に取り除いてQOLを改善させる効果が高いとされているが、約3割は手術を受けても痛みが残るといわれている。このような背景から、新たな治療薬や治療法の開発が求められている。

■新薬開発の第一歩

 そんな中、森岡氏らの研究で、変形性膝関節症の痛みを和らげる治療薬として期待できる“標的”が発見されたという。

「以前から行ってきた研究で、原因がそれぞれ異なる慢性痛を持つマウスに対して、細胞の中(核内)にある受容体のひとつである『REV-ERB』を薬物で刺激すると、慢性痛を改善することが分かっていました。そこで今回、変形性膝関節症を発症したマウスの膝関節内にREV-ERB刺激薬を投与したところ、偽薬を投与したマウスのグループと比較して痛みが緩和されると分かりました」

 また、大腿骨にある軟骨組織の厚さを測定したところ、軟骨のすり減りも抑えられていた。さらに、ラットの膝関節内の軟骨組織をつくる軟骨細胞を培養し、人為的に炎症を生じさせて痛みのもととなる炎症物質が増加するのを確認し、そこにREV-ERB刺激薬を投与すると、炎症物質の増加が抑制されたという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  3. 3

    浜田省吾が吉田拓郎のバックバンド時代にやらかしたシンバル転倒事件

  4. 4

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 5

    「いま本当にすごい子役」2位 小林麻央×市川団十郎白猿の愛娘・堀越麗禾“本格女優”のポテンシャル

  1. 6

    幼稚舎ではなく中等部から慶応に入った芦田愛菜の賢すぎる選択…「マルモ」で多忙だった小学生時代

  2. 7

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  5. 10

    フジテレビ系「不思議体験ファイル」で7月5日大災難説“あおり過ぎ”で視聴者から苦情殺到