貧血に使われる「鉄剤」は副作用を防ぐために多めの水で服用
そうした際にクスリとして鉄剤が処方され、それによって体内の鉄を補充します。ただ、鉄剤もクスリですから、当然、副作用があります。代表的なものとして、吐き気と便秘があります。
吐き気は特に空腹時に鉄剤を服用すると起こりやすいため、食後に服用することである程度予防できます。また、多めの水で服用することも重要で、これは吐き気、便秘いずれにも効果的です。
内服した場合、鉄の吸収率はあまり高くありません。そのため、鉄がそのまま便と一緒に排出されることがあります。その際、便の色が黒くなってびっくりされることもあるかと思いますが、あくまで鉄の色なのでほとんどの場合は安心していただいて結構です。
また、鉄はビタミンCと一緒に摂取すると吸収が良くなるといわれています。ただ、人によっては吐き気が増強されることもあるので注意しましょう。
鉄剤には内服薬以外に注射薬もあり、緊急性のある重度の鉄欠乏性貧血(消化管出血など)に用いられます。注射薬の場合は内服薬のように消化管からの吸収を考慮する必要がないため、効率的に鉄を補充することができます。