著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

貧血に使われる「鉄剤」は副作用を防ぐために多めの水で服用

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 そうした際にクスリとして鉄剤が処方され、それによって体内の鉄を補充します。ただ、鉄剤もクスリですから、当然、副作用があります。代表的なものとして、吐き気と便秘があります。

 吐き気は特に空腹時に鉄剤を服用すると起こりやすいため、食後に服用することである程度予防できます。また、多めの水で服用することも重要で、これは吐き気、便秘いずれにも効果的です。

 内服した場合、鉄の吸収率はあまり高くありません。そのため、鉄がそのまま便と一緒に排出されることがあります。その際、便の色が黒くなってびっくりされることもあるかと思いますが、あくまで鉄の色なのでほとんどの場合は安心していただいて結構です。

 また、鉄はビタミンCと一緒に摂取すると吸収が良くなるといわれています。ただ、人によっては吐き気が増強されることもあるので注意しましょう。

 鉄剤には内服薬以外に注射薬もあり、緊急性のある重度の鉄欠乏性貧血(消化管出血など)に用いられます。注射薬の場合は内服薬のように消化管からの吸収を考慮する必要がないため、効率的に鉄を補充することができます。

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