なかなか止まらい…「大人の鼻血」は重大病のサインかもしれない
子供に多い「鼻血」は、大人になるにつれ少なくなる。成人してから1カ月に何度も繰り返したり、止血をしてもなかなか止まらない場合には注意が必要だという。「日本橋大河原クリニック」院長の大河原大次氏に聞いた。
「左右の鼻の穴は鼻中隔と呼ばれる壁で隔てられていて、鼻の入り口から1センチほど奥にある『キーゼルバッハ部位』には、いくつもの動脈が集結しています。鼻の中は柔らかい粘膜で覆われているので、顔を洗ったり、はなをかんだりするだけで簡単に出血しやすい。大人の鼻血で受診される8~9割以上は、このキーゼルバッハ部位からの出血です」
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)があると、鼻水の量が増えてたくさんはなをかむようになり、粘膜は傷つきやすくなる。また気温が低く空気が乾燥する冬の時季は、粘膜を覆う粘液が乾燥し、少しの刺激で鼻血を起こしやすい。
「鼻詰まりを解消させようと、よくティッシュを丸めて鼻の中をグリグリされている方もいますが、粘膜の表面を紙やすりで傷つけているのと同じです。アレルギーによって鼻血が引き起こされているのであれば、原因になっている病気の治療をする必要があります」