著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

「がん治癒率」…知る人と知らない人で大きな違いが生まれる

公開日: 更新日:

 受診意識の明確な違いは、肺がんや子宮頚がん、乳がんでも同様で、検診受診者は早期発見・早期治療による治癒効果を理解することで、受診行動に結びついていることがうかがえます。受診しない人ほど、いまだに“がんは不治の病”と誤解している可能性があるかもしれません。われわれ医師はがんの治療効果についてもっと積極的な発信が必要といえます。

 国が掲げるがん検診の指針としては、胃がんは「バリウムか胃カメラ」で、大腸がんは「便潜血検査」です。必ずしも内視鏡検査を受けられるわけではなく、一般の方はバリウムや便潜血検査の精度に疑問を持ち、受診を拒否するのかもしれません。

 確かに胃がん検診では胃カメラがベターですが、大腸がん検診における検便の精度も決して悪くありません。検便は2日分を採取するのが基本。正しく3年続けて6日分を採取すると、大腸がんの発見率は理論上97%と、ほぼ100%です。

「正しく」と記したのは便を満遍なくこすり取ることと、もうひとつは管理と持ち運びです。採取後は冷蔵庫に保管し、いまのように暑い時季は保冷剤と一緒に持ち運ぶこと。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方