災害時の応急処置(1)流水で冷やし、体に張り付いた衣服は脱がさない

公開日: 更新日:

水ぶくれは破ってはいけない

 災害時には水道が止まることも多い。冷やせない時にはどうしたらいいのだろうか。

「清潔な状態を保つのが重要です。できるだけ清潔なタオル等で覆うことが必要です。やけどの範囲が広い場合には、たとえば登山の防寒用として使うようなアルミシートで患部を覆うと、感染を防ぐとともに保温により体温の低下を防ぐことができます。家庭用のアルミホイルでもいいでしょう」

 そう話すのは、同じく東京消防庁救急部の木村和巳消防司令だ。

「もうひとつ注意していただきたいのは、衣服が体に張り付いている場合です。無理に脱がそうとすると、皮膚が一緒にめくれてしまう可能性があります。冷やす場合も、衣服の上から水をかけるようにしてください。あとは、体温を下げすぎないこと。特に冬場は冷やしすぎてしまうと低体温となったり、氷や氷水で冷却するとやけどが悪化する危険もあります」

 さらに気をつけるべきは、水ぶくれができた場合には破らないようにそっと冷却すること。水ぶくれには傷口を保護する役割があるからだ。また、同じく感染防止のため、患部にアロエや味噌などを塗ってはいけない。

 今すぐできるやけど対策として、軽量コンパクトな防寒シート(エマージェンシーシート)や100円均一ショップでも購入できるアルミシートを用意しておくといいだろう。 (つづく)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース