【ギョウチュウ】多くで検査廃止も九州や沖縄はいまも保有率が高い
当連載の読者の多くは、小学生の頃に「ぎょう虫検査」をやった経験があるのではないでしょうか。朝、排便前に特殊なノリがついた青いセロハンを肛門に貼り付け、ギョウチュウ(蟯虫)が産んだ卵がないかを確認する検査に提出する、というものです。
しかし、最近はほとんどの小学校でぎょう虫検査は行われていません。以前は、文部科学省の学校保健安全法施行規則により、学校での健康診断の項目に「ぎょう虫検査」(寄生虫卵検査)が含まれていました。しかし、近年では生活環境の改善と共にギョウチュウが検出されるケースが少なくなってきていて、2014年4月末に法律が改正され、ぎょう虫検査は2015年度で廃止されることになったのです。
しかし、ギョウチュウの保有率には地域差があります。九州地方、特に沖縄県での保有率が高いことが知られていて、現在もぎょう虫検査が実施されている地域もあるのです。
ギョウチュウは寄生虫の一種です。約1センチの白い虫で、尾端(びたん)がとがっているので、「pinworm(ピンのように尖った虫)」といわれています。感染者は小学校低学年以下の子供とその父母に多く、家庭内など集団感染が多いのも特徴です。