ブヨに刺されたら…唾液を吸い出し、水で洗い流し、冷やす
ブヨと蚊でどちらが痒いかと問われたら、私は断然ブヨ派です。多くの文献にも「ブヨのほうがはるかに痒い」と書かれているので、間違いないでしょう。
ちなみに呼び方ですが、東日本ではブヨが一般的です。私は関東の出身なので、ここでもブヨを使わせてください。一方、関西では「ブト」と呼ぶそうです。私の大学の学生たち(大半が関西圏の出身)に確認したところ、やはりブトが多数を占めていました。なお、医学や生物学では「ブユ」が正しい呼び名になっています。
ブヨに刺されると、痛痒い腫れが数日間から1週間以上も続きます。ただし実際には「刺す」のではありません。皮膚をかじって穴をあけ、滲み出てきた血をすするのです。そのためブヨに咬まれた後は、血が1~2滴垂れることがよくあります。
また腫れの中心には、必ずかじられた痕(カサブタ)が残ります。超極細の針で、気づかぬうちに血を吸って逃げていく蚊のほうが、やり方としてはずっと洗練されていると言っていいでしょう。蚊は頭脳犯、ブヨは粗暴犯といった感じです。