尿路上皮がん治療最前線…全生存期間がグッと延びている

公開日: 更新日:

免疫チェックポイント阻害薬の登場が転機に

 ターニングポイントとなったのが免疫チェックポイント阻害薬の登場だ。私たちの体には「異物を見つけて攻撃する働き」と「攻撃にブレーキをかける働き」の両方が備わっている。がんは「ブレーキの働き」を利用し、免疫細胞ががんを見つけて攻撃するのを止める。免疫チェックポイント阻害薬は、免疫細胞にかかった「ブレーキ」を外し、本来の働きを取り戻させる薬だ。

「進行尿路上皮がんにも17年に免疫チェックポイント阻害薬が承認。GC療法後の『2次治療』として使われることで、それまでの全生存期間14カ月から17カ月に延びました。そこで次に、1次療法における免疫チェックポイント阻害薬とGC療法の『併用治療』の臨床試験が2通り実施されました。しかし、どちらも期待していた効果は得られなかった」

 一方、ほぼ同じ時期に行われていた臨床試験が免疫チェックポイント阻害薬の「維持治療」だ。前出の2次治療は「GC療法が効かなくなった後、次の策として免疫チェックポイント阻害薬を使う」。併用治療は「GC療法をやりつつ、併用して免疫チェックポイント阻害薬を使う」。これらに対し維持治療は「GC療法の効果維持のため、GC療法後に免疫チェックポイント阻害薬を使う」。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝