尿路上皮がん治療最前線…全生存期間がグッと延びている

公開日: 更新日:

 尿路上皮がんは、かつて「残された難治性がんのひとつ」と言われるほど、予後が悪いがんだった。しかしこの数年、治療成績が大きく変わった。「虎の門病院」臨床腫瘍科部長の三浦裕司医師に聞いた。

  ◇  ◇  ◇

 手術や放射線といった局所治療でがんの除去が困難な場合、治療のメインは薬物による全身治療となる。

 現在、多くのがんで用いられているのが1965年に発見されたシスプラチンと他の薬剤を併用する治療法だ。尿路上皮がんも例外ではない。

「2000年まで使用されていた併用療法(MVAC療法)は非常に副作用が強いため、それをマイルドにする方法として08年に抗がん剤ゲムシタビンとの併用(GC療法)が承認されました。しかし、腎・心機能低下の患者さんには使いづらく、更には多くの患者さんは半年過ぎた頃からがんが増悪し、その後、他の薬に切り替えても1年少ししか生存できませんでした」

 さまざまな新薬が登場し、予後不良のがんの治療成績が向上する中、2000年代になっても尿路上皮がんの臨床試験ではことごとくネガティブな結果が出る状態が続いていたという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇