著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

熱中症の相談が多数…暑さを自覚せず自宅で発症したケースも

公開日: 更新日:

 熱中症で入院し一命を取り留めても、体力のない高齢者では退院後、元の生活に戻れないことがほとんどです。

 暑い時季は、冷房の使用の有無・飲水量・排尿回数の観察、わき・頚部・大腿部などのクーリング(冷やす)をし、繰り返し熱中症を防ぐためのアドバイスをしています。

 それでも熱中症と思われる症状となった場合は、クーリングしつつ、脱水症状を和らげる点滴を行います。

 水分補給については、汗で出てしまった量に見合った水分を摂取する必要があるため、経口補水液や、糖尿病の心配がない人にはスポーツドリンクなど、糖質が含まれる市販の電解質の飲料水を飲むことを勧めています。その場合も、一度にたくさんの水分を取ってもうまく吸収できないため、こまめに少しずつ、のどが渇いたと感じていなくても意識的に取るように伝えています。

 排尿障害があったり、足が不自由な方では、トイレを心配して水分摂取を控えがちに。しかし、この暑さの中では水分補給は非常に重要です。それをきちんと説明し、理解してもらうことも在宅医療にとって大切な務めだと考えています。

 前述の70代の女性は、対人関係の壁が高く関係構築までに時間がかかりました。私たちのアドバイスを快く聞き入れてもらうために、毎回同じ医師で訪問するのはもちろん、同じ診療パートナーで訪問するように心掛け、水分だけでなく心の調整も行うように努めたのでした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース