残暑の「脱水」には要注意…心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなる
8月も残りわずかとなり、朝晩はだいぶ過ごしやすくなってきた。とはいえ、日中の暑さはまだまだ続いているから、気を抜くことなく「脱水」に注意する必要がある。循環器専門医で東邦大学名誉教授の東丸貴信氏に聞いた。
心筋梗塞や脳卒中の発症は、1月をピークに冬場に最も多く、気温の上昇とともに3月から6月まで徐々に少なくなっていく。しかし、7月には上昇に転じ、秋から冬に向けてまた増えていく。
通常、気温が上がると血管が拡張して血圧は低下するため、心筋梗塞や脳卒中のリスクは下がると考えられる。しかし、逆に上昇しているのは脱水や熱中症が大きな要因になっている可能性がある。
「脱水になると、血液が濃くなり、固まりやすくなります。血の塊である血栓が脳動脈にできると脳梗塞、心臓に血液を送る冠動脈にできると心筋梗塞が生じます。高血圧症や糖尿病などの生活習慣病を抱えていて、動脈硬化が進んでいる人ではさらにリスクが高くなります。暑い夏は発汗などで体内の水分が不足して脱水状態になりやすいため、脳梗塞や心筋梗塞の発症が増えるのです」