熱中症の相談が多数…暑さを自覚せず自宅で発症したケースも
長雨月となりようやく暦のうえでは秋となりましたが、それでもまだまだ日中は蒸し暑い日が続きます。引き続き熱中症には気を付けていただきたいと思います。
今年の夏は熱中症に関する相談が少なくありませんでした。高齢者は暑さを自覚しづらく、熱中症になりやすい。地域の高齢者総合相談センターや地域包括支援センターからは、「熱中症疑いだが、ご本人が病院に行きたがらない。往診してもらえないか」といった相談もありました。
膠芽腫(こうがしゅ)の末期である70代の女性も、熱中症がきっかけで当院とつながった患者さんです。膠芽腫は脳腫瘍のひとつで、高齢者に多く、最も悪性度が高いとされています。頭痛やけいれん、手足の動かしにくさ、しゃべりづらさなどさまざまな症状が現れる病気で、この女性の場合、さらに排尿障害も抱えておられました。
もともと娘さんの介助を借りてやっと通院されていたのですが、今年の7月、自宅で熱中症を発症。たまたま訪れた娘さんの119番通報で救急病院に搬送され、入院。退院後は体力が衰え、ADL(日常生活動作)が低下したことで通院が厳しくなり、自宅での療養をサポートするために当院で在宅医療を始めることになったのでした。