帯状疱疹について知っておきたいこと(上)ワクチンを絶対に打とうと思うワケ
「水ぼうそうを一度発症していると、私たちは水痘・帯状疱疹ウイルスへの免疫を獲得しています。この免疫は時間の経過とともに弱まりますが、子育て年代で水ぼうそうを発症した子供たちと触れ合い、再び同じウイルスと触れることで免疫がまた強くなります。だから、神経節にウイルスが潜伏しているとはいえ、50歳を越えるくらいまではウイルスの休眠状態を保てていたのです」
ところが2014年から1~3歳の子供の水痘ワクチンが定期接種化し、水ぼうそうを発症する子供が激減。それによって再びウイルスに触れる機会が激減し、免疫がまた強くなる“ブースター効果”を得る機会も激減した。つまり、ウイルスの休眠状態を50歳まで保ちにくくなった。
「これまでは帯状疱疹を発症するリスクが低かった世代でも、疲労、ストレス、病気など免疫力が低下すると帯状疱疹を発症するようになった」
帯状疱疹はつらい病気だ。50代の女性は「単なる虫刺されだと思っていたら、数日後に額から頭頂部にかけてわーっと針で刺されるような激痛に襲われた」と話す。帯状疱疹がきっかけで顔面神経まひに至る人もいる。ちなみに顔面神経まひは、カナダ出身の人気歌手、ジャスティン・ビーバーがその症状を「こっちの目はまばたきできないし、顔のこっち側では笑えない」とSNSで訴えている。