梅酒とレモンサワーで「食中毒」対策ができる? 高知大名誉教授が寄稿

公開日: 更新日:

 この結果から、食事のごく初期であれば、酒類を飲むことで胃の中の食中毒菌を殺すことができると考えられる。しかし、食事が進むにつれ胃酸は希釈され、酒類による殺菌効果はなくなってしまう。

■焼き鳥を食べるとき特におすすめ

 一方、酸味が強い酒類なら胃液のpHとは無関係に食中毒菌を殺菌できるのではないだろうか?

 酸味が強い酒といえば、梅酒、レモン酎ハイ、ワインなど結構たくさんある。そこで筆者らの研究グループ(共同研究機関:東京顕微鏡院)は、「カンピロバクター」に対する梅酒やレモン酎ハイ(缶酎ハイ)の殺菌効果を調べてみた。

 カンピロバクターは、加熱不十分な鶏肉や鶏レバーなどによる食中毒の原因菌であり、近年はこの菌による食中毒が、細菌性食中毒発生件数の約70%を占めている。

 写真の白い斑点は寒天培地に形成されたカンピロバクターのコロニーだ。この実験では①水②梅酒③レモン酎ハイ④焼酎水割りで菌を10分間ほど懸濁処理した後、一定数を寒天培地に植菌した。結果、焼酎の水割りでは菌はほとんど死ななかったが、梅酒やレモン酎ハイでは、99%以上の菌が死滅した。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲