著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

健康寿命は経済力で決まる(7)ジェネリックが足りない…使用促進より安定供給を

公開日: 更新日:

 ジェネリックの使用を、金額ベースで65%以上に引き上げるという政府のもくろみ。しかし2022年ごろから、ジェネリックの不足・品薄状態がずっと続いており、先行きが見通せません。

 24年9月時点で、国内で供給されている医療用医薬品は1万6549品目、そのうち1822品目が「限定出荷」(新規受注や増量受注に応じられない状況)で、1244品目が供給停止となっています(日本製薬団体連合会)。ジェネリックに限れば、8042品目中1057品目が限定出荷、890品目が供給停止です。

 また報道によれば、不足感が強いのは、「解熱鎮痛剤」「かぜ薬」や、「不整脈」「高血圧」「狭心症」「アトピー性皮膚炎」「気管支炎」「うつ病」などの治療薬となっています。

 試しに「医療用医薬品データベース」を使って、解熱鎮痛剤の現状を見てみましょう。

 代表的なものは「イブプロフェン」「ロキソプロフェン」「アセトアミノフェン」「アスピリン」などを有効成分とする薬です。

 イブプロフェンは胃にやさしいことから人気がありますが、残念ながらほとんどのメーカーが限定出荷になっています。 ロキソプロフェンは「ロキソニン(第一三共)」の有効成分のことです。これもジェネリックはほぼ全品が限定出荷です。そればかりか先発薬のロキソニンも、錠剤、パップ剤(貼り薬)のすべてが限定出荷です。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方