著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

三菱UFJの新首脳人事が大詰めも…発表時期をうかがう「2つの要素」

公開日: 更新日:

 この事件について、「被害の全容、罪状が見えてきた段階で、経営陣による記者会見が行われるのではないか」(メガバンク幹部)とされる。

 だが、その前に、来春のグループ各社の首脳人事の記者会見を開けば、「晴れがましいトップ交代会見の場が、事件追及の場に変わりかねない」(同)と懸念されている。

 呻吟するもう1つの要素は、首脳交代が来年4月からの全銀協会長人事と重なる点だ。「三菱UFJは来年4月から全銀協会長に就くことが決まっているが、誰が就くのかは未定となっている。通常であれば三菱UFJ銀行の頭取が就くことになるが、来年4月に頭取が交代して、すぐに全銀協会長では荷が重いのではないかと心配されている」(同)というのだ。このため、「三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取が持ち株会社のMUFGの社長に昇格して、そのまま全銀協会長に就任するケースも考えられる」(同)との見方もある。

 指名委員会等設置会社となっているMUFGは社外取締役を中心に構成する「指名・ガバナンス委員会」が取締役の選解任を決める。5人の委員のうち、亀澤宏規社長以外の4人が社外取で、委員長は筆頭独立社外取締役の野本弘文氏(東急代表取締役会長)が務める。

 すでに同委員会はサクセッションプラン(後継者計画)に基づき、11月から亀澤社長の後任人事と三菱UFJ銀行を中心としたグループ各社の首脳人事に向けた大詰めの議論に入っている。後は、発表のタイミングだけなのだが……。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」

  2. 2

    フジテレビの資金繰りに黄信号…9割超もの広告スポンサー離脱、CM再開も見通し立たず

  3. 3

    備蓄米放出でもコメ高騰は抑えられない!「コシヒカリ」応札集中確実…得をするのは自民の“大票田”のみ【上位10品目リスト付き】

  4. 4

    ニセコで横行する「海賊スキースクール」…中国系インストラクターやりたい放題で認定校とはイタチごっこ

  5. 5

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  1. 6

    牛丼大手3社は明暗クッキリ…圧勝「すき家」擁するゼンショーHDの強みは海外のすし事業

  2. 7

    オーバーツーリズムに住民の我慢も限界…政府は「訪日観光客6000万人」目標も現場の実情とは大きく乖離

  3. 8

    大阪・西成には1泊100万円超の民泊が登場 中国人経営者が次々参入狙い

  4. 9

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  5. 10

    斎藤元彦・兵庫県知事にくすぶり続ける公選法違反疑惑…渦中のPR会社メルチュの「請求書」と「見積書」で違う印影が

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ30代アナ永島優美、椿原慶子が辞めて佐々木恭子、西山喜久恵50代アナが居座る深刻

  2. 2

    志村けんさん急逝から4年で死後トラブルなし…松本人志と比較される女性関係とカネ払い

  3. 3

    ダウンタウン浜田雅功の休養でよぎる2023年の「意識障害」報道…「前日のことを全く記憶していない」

  4. 4

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  5. 5

    悠仁さんの成人会見は秋篠宮家の数々の危機をいっぺんに救った

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  2. 7

    志村けんさん急死から4年で関係者が激白…結婚を考えた40歳以上年下“最後の女性”の存在

  3. 8

    備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」

  4. 9

    日テレ「さよなら帝国劇場」でわかったテレビ軽視…劇場の階段から放送、伴奏は電子ピアノのみ

  5. 10

    フジテレビ「Live News イット!」が大苦戦中…上垣皓太朗アナが切り札となるか