牛丼大手3社は明暗クッキリ…圧勝「すき家」擁するゼンショーHDの強みは海外のすし事業
店舗数は19年度末の1207店舗から、今年1月末時点で1336店舗へと増加した。
店舗の多くが牛めし業態だが、松のや、マイカリー食堂など、とんかつやカレー業態を併設する「複合店」への業態転換を進めている。
「松屋は1店舗でさまざまな料理を選べる『食堂』にすることで、差別化を図っている。毎日牛丼では飽きる。選択肢の多さが強みだ」(同)
併設店はかつや、壱番屋などが競合だが、低価格メニューを提供し客を集める。
■牛丼としては後発も…
すき家を擁するゼンショーHDの20年3月期売上高は6304億円。21年度に6000億円を下回ったが、22年3月期には以前の水準を超えた。今期は1兆800億円を見込む。国内約2000店舗と業界トップのすき家に加え、同631店舗のはま寿司や、約1200店舗を展開するレストラン業態もゼンショーの収入源だ。牛丼としては後発ながら、多角化を進めてきた。
近年では海外のテイクアウト寿司店をM&Aで取得した。18年には北米を中心に約4000店舗を有するAFC社を買収。23年にも欧米の2社を買収した。同業態を含む「グローバルファストフード」事業は海外で約9700店舗を展開。同事業の収入はゼンショー全体の2割を占める。
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