高校生には向かない「ポイント近く」のプロ理論
神奈川の高校野球の指導者は定期的に勉強会を行っている。同県では、武相の桑元孝雄監督は高校生の力量を理解し、ポイントを前にして打つように指導している。
ポイントを近くにするプロ理論は、楽天の田中将大のスプリットのような低めの変化球を見極めなければならないプロの打者なら必須だろう。しかし、あんな切れ味鋭い縦の変化球を高校生で投げる投手はいない。
「ゴルフ」の練習をやってみると打撃に生きる。地面に置いてあるボールを正しいダウンブローで肩口から打ち込まないと、まっすぐ飛ばない。野球でいうドアスイング、つまり、ゴルフでいうアウトサイドインのスイングをすると引っ掛かってしまう。野球だとボテボテのサードゴロになる。ゴルフをやってみると、この理論が分かり、スイングの矯正にもなる。
外角打ちの基本もゴルフにある。普通なら「外は踏み込んで打て」と教わるだろう。だが、右肩が突っ込み、押っ付ける打ち方では、二ゴロか良くて右前打。ゴルフならクラブが地面を叩いてしまう打ち方だ。逆方向へ大きな打球を打つには「スライス」打法がいい。開きが早く、クラブが遅れて出てきた時の“ど”スライスは論外だが、ある程度のスライス、「フェード」と言うべきかもしれないが、これは外角打ちの理想。プロでは巨人の村田修一の打球がそれ。当てにいかず、フルスイングをしてライト方向へ本塁打したいなら、スライスのスイングを会得することだ。