ドラフト目玉 桐光・松井がプロで活躍するための「3つの課題」
【横浜高校野球部コーチ・小倉清一郎 「続・鬼の遺言」】
来週24日にプロ野球ドラフト会議が行われる。同じ神奈川で切磋琢磨してきた目玉候補の桐光学園・松井裕樹君(17)に何球団競合するか楽しみだ。
OBの松坂大輔(メッツ)は1年目に16勝した。今年は藤浪晋太郎(阪神)が10勝を挙げ、大谷翔平(日本ハム)が二刀流で奮闘するなど、高卒ルーキーの活躍が目立っている。もし大谷が投手に専念したら、将来性は藤浪より上だと思う。
そこで松井君だ。結論から言うと、一軍で活躍するまで少し時間がかかるかもしれない。伝家の宝刀のスライダーとチェンジアップといった変化球はすぐにでも通用する。ただ、投球の基本となる140キロ台の直球は球威を含めてまだまだ。春先と比べ、プロの評価が落ちているとも聞く。指名を迷っている球団がある要因はそこだろう。
入団してすぐに直されそうなのは投球以外のところ。まずまずのフィールディングに比べ、牽制とクイックモーションに課題がある。走者一塁の時もそうだが、特に二塁の時の投球モーションが大き過ぎる。プロなら三盗はフリーパス。桐光は遊撃手が二塁ベースから4、5メートルの位置に張り付いていたから走者をクギ付けにできた。プロならそうはいかない。「投げる以外のこと」をプロで習得するとなると、意外と時間がかかるものだ。