俊足武器の早大・重信 「巨人2位指名」に込められた意味
17日の明治神宮大会準決勝で早大が上武大を下し、春秋リーグ戦、全日本大学野球選手権と合わせた4冠達成へ王手をかけた。巨人からドラフト2位指名された重信慎之介外野手(22)は「1番・右翼」で出場。初回に中前打で出塁し、先制のホームを踏むなど、勝利に貢献した。
173センチ、70キロと小柄ながら、50メートル5秒7、一塁到達3秒7の脚力が武器。とはいえ、「何も2位じゃなくても……」と他球団のスカウトから驚きの声が上がったのも事実。「足」の選手がなぜ2位か。球界関係者がこう言う。
「秋季キャンプで打撃練習に時間を割いてはいるものの、来季も貧打かもという読みが球団にあるのでしょう。だからドラフトは投手を中心とした守りと共に『足』も重視した。もちろんレギュラーになってくれるに越したことはないが、来年38歳になる代走のスペシャリスト・鈴木尚広の後釜の意味合いもある。ここ2年、打線が振るわない中、ジョーカーのような存在の鈴木の走塁がにわかに脚光を浴びた。『来季も守りや走塁を駆使して、しぶとく戦え』という球団から高橋新監督へのメッセージでしょう」
球団が高橋監督に授けたのは、貧打を見越した「切り札」ということだ。