大揺れ巨人が“地味ドラフト”も 1位桜井の恩師は不信感露わ

公開日: 更新日:

 巨人が1位指名したのは桜井俊貴だった。最速150キロの即戦力右腕。堤GMは「単独で獲得できてよかった。即戦力として期待できる」と安堵の表情だったが、最終的に1位指名が決定したのは「きのうの夜」という。ある球団の関西地区担当スカウトが言う。

「桜井はどこの球団も、もともと2位候補の投手だった。ただ、秋のリーグ戦が好調。ドラフト前の最終登板となった先週14日の関西大戦を延長14回206球の熱投で完投勝利。巨人のほかに阪神など8球団が視察したが、巨人はスカウト部長ほか5人前後で総チェック。この試合で1位がひっくり返ったとみられます。それにしても、巨人がまさか1位にまで格上げしてくるとは。いい投手ではありますが、野球賭博問題の渦中にいるから、よっぽど今回のドラフトでは目立ちたくなかったんでしょうね」

 確かに今年の巨人のドラフトは地味である。2位は早大の外野手・重信、3位は普天間高の投手・与那原など8人。育成も含めて大量16人もの選手を指名したが、中央球界で名が通る有名選手は皆無なのだ。

 前日に野球賭博問題で新たに2投手の関与が発覚したばかり。そのうちのひとり、松本竜は4年前の11年ドラフト1位で入団した選手だった。こんなことでは送り出すアマチュア側は心配になって当然。堤GMは「若い選手を中心にきちっとした再発防止策を考えている。君(桜井)が来ても間違いないと説明したい」と力説したが、桜井の恩師・立命館大の後藤監督は「そういうことがどうして教育できていなかったのか残念。プロなのでタニマチという人たちが近づいてきたりする。付き合い方、関わり方を教えないと。体育会だし、上から言われると会いたくないとも言えない。その辺が怖い」と不信感を口にしている。

 これはアマ球界指導者の総意のようにも聞こえる。巨人が高橋、小笠原、オコエといった甲子園のスター選手をことごとく回避したのは、こんな未曾有の大問題を起こしておいて「注目選手を指名して派手にやるわけにはいかない」という思惑が働いたのかもしれない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…