掛布二軍監督退任騒動の“元凶”はフロントの調整力のなさ
7年目の中谷が生え抜きでは06年の浜中以来の20本塁打を放ち、ルーキーの大山は勝負どころで4番を任されるような選手に成長した。二軍監督が育てた選手が、一軍で実績を残しているわけですから、2人のどちらに非があったかはさほど重要とは思えません。問題は2人の間の溝がここまで決定的になってしまった事実です。
金本監督の目に、掛布二軍監督の指導方針がぬるい、甘いと映っていたのであれば、ここまでこじれる以前にフロントが両者の間に入ってしかるべきでした。金本監督は年上の掛布二軍監督に向かって意見はしづらいでしょうから、クビにしなければならない事態になる前にフロントが調整すべきなのに、それをしたフシが見えないのです。
金本監督は坂井オーナーから全権を託されています。「超変革」をテーマに、ぬるま湯に漬かったチームの体質を改めるのが最優先です。ならばフロントが掛布二軍監督を呼び、いまは金本監督の方針で一本化しているのだからもっと厳しく指導するよう促すべき。それでも掛布が納得できないのであればクビも仕方ありませんが、フロントが間に介在した形跡は最後まで見えませんでした。