東京五輪は厚底OK?マラソンの魅力を台無しにする記録偏重
「規制されていないシューズなら選手は使用します。しかし、人間の力以外のものが及ぶことはマラソンを冒涜していることになる。そんなシューズを履いて記録が伸びても意味がない。今回の一件で世界陸連はシューズの反発力などについて徹底的に調査するべきです」
2016年リオ五輪マラソン金メダルのエリウド・キプチョゲ(ケニア)は昨年10月、フルマラソンで2時間切りに挑戦するイベントで1時間59分40秒2をマークしたが、ほぼ直線のコースで多数のペースメーカー(PM)や給水サポートなどがついていたので、公認記録にはならない。当たり前だ。
18年東京で設楽悠太が、同年シカゴで大迫傑が日本記録を更新した時もそうだ。26日の大阪国際女子で松田瑞生が設定記録(2時間22分22秒)を切って優勝したのもPMの力が大きい。最近のマラソンは最新のバネつきシューズと人の力を借りてのものばかりだ。
PMがレースを引っ張り、序盤からの駆け引きや戦略が意味をなさなければ、五輪ではアフリカ勢のスピードの上げ下げにふるい落とされるだけ。日本人の五輪メダルはどう見ても厳しい。