球界実力者が次々と言及「プロ野球16球団構想」の現実味
■松山市「50万都市で経営が成り立つのか」
もっとも、中には不安を抱える都市もある。松山市のスポーティングシティ推進課は具体的な悩みを口にする。
「ウチのような人口50万都市で果たしてNPB球団の経営が成り立つのかどうか。新潟市さんや静岡市さんは地元に大きな企業がありますが、我々にとってはどこまでリアリティーがあるのか……。坊っちゃんスタジアムもそうです。市民の皆さまも使っている球場ですからね。その意味では仮にNPB球団ができたとして、年間何試合が開催できるのか。市民の皆さまの利用を制限する必要も出てくるかもしれません。かといって何もしなければ、『なんで松山市は16球団構想に参加しないんだ』と言われかねませんから……。そうした部分も含めて、勉強中ということです。もし、我々に声がかかったとき、行政にありがちな『ただいま検討中です』というのも避けたいですからね」
これまでも浮上しては消えてきた、プロ野球の16球団構想。18年7月にZOZOの前澤友作社長(当時)が「大きな願望」として「みんなで作り上げる参加型の野球球団にしたい。シーズンオフ後に球界へ提案するためのプランを作ります」とプロ野球への新規参入をぶち上げたものの、いつの間にか話題にもならなくなった。バカバカしいが、球団拡張、新規参入には既得権益に固執する既存球団という高い壁があるのも事実。王会長と古田氏の“OF砲”が岩盤を突き破れば、面白くなりそうだが……。