明暗分かれた開幕投手6人の「カネの使い道」と「急所」
則本は超長期7年契約の中だるみ
■東浜巨(ソフトバンク・30歳)年俸6700万円
対ロッテ5回0失点
2017年に16勝5敗、防御率2・64で最多勝のタイトルを獲得。しかし、翌18年は右肩の関節機能不全で2カ月間離脱し、昨季も右ヒジにメスを入れ、6月以降は投げていない。
ケガは癒えたとはいえ、2年間ローテで回っていないことで、超過密日程を乗り切れるかという体力面の心配がある。
「過密日程は先発がしっかりしなければ、中継ぎへの負担が増す。ソフトバンクの中継ぎ陣は優秀とはいえ、17年に当時の抑えのサファテが『中継ぎはみんな疲れている。もっと先発を信用してほしい』と言ったように、工藤監督はリリーフ陣を酷使するタイプ。もし、東浜がケガばかりだった2年分を取り戻そうと意気込んで離脱することになれば、雪崩式に中継ぎを含めた投手陣が崩壊しかねない」とは球団OBだ。
■則本昂大(楽天・29歳)年俸3億円
対オリックス7回1失点 勝ち投手
昨季から25年までという7年総額21億円の大型契約がネックになる。
当初は2億5000万円だった年俸が3億円に増額された。この金額は34歳で迎える契約最終年の25年まで変わらない。が、複数年契約を結んだ選手が陥りがちな落とし穴がある。野村監督は生前、「複数年契約は百害あって一利なし。やってもやらなくても給料が変わらないんじゃ、無理をしないでおこう、と思うのが人間だ」と言っていた。
「責任感は強いが、そんな球団愛が気がかりなんです。『ここで無理をして来季以降に影響したら、長期契約を結んだ球団に申し訳ない』と思うかもしれない。昨季、右ヒジ手術の影響で出遅れ、7月の初登板まで二軍にいたことで、チーム全体を見渡すようになったそうです。視野が広がった分、先のことを考えるようになったんだとか。右ヒジの状態次第では、7年をトータルで考え、今季はフル回転しないかもしれません」(球界関係者)