巨人が通算6000勝 原監督と菅野を救った秘蔵っ子の逆転弾
巨人が19日の開幕戦で阪神に勝利し、プロ野球史上初の球団通算6000勝を達成した。
7回2失点と好投したエース菅野が降板した直後、1―2の七回1死二塁から吉川尚輝(25)が右越えに逆転2ラン。そのまま巨人が3―2で接戦を制した。原辰徳監督(61)は「本当は抱きしめたかったけどね。非常に劇的な、今年の彼は“新戦力”になってくれるという点では最高のスタートを切りましたね」とうれしそう。もともと「坂本勇人に匹敵する」と潜在能力を評価する。昨季は開幕から11試合連続でスタメン出場し、打率3割9分と好調の中、腰痛で離脱。その後、一軍に復帰することはなかった。結局、11試合の出場に終わった吉川尚について「職場放棄するから、それ以前の問題」と苦言を呈してきた。
巨人OBで評論家の高橋善正氏がこう言う。
「菅野が敗戦投手になるところを勝利投手にしたのだから大きい。内角の難しい球を坂本や阿部(現二軍監督)のように、うまく腕を畳んで打ちましたね。打線は9残塁と拙攻気味でしたが、苦しい試合を一発でひっくり返せたのは巨人らしい。しかし、腰痛は厄介で、なかなか完治しないといわれる箇所。吉川尚は1年を通じて試合に出続けられるか。今年は過密日程だけに、主力に離脱されたら痛い。原監督の手綱さばきがより重要になります」
コロナ禍により3カ月遅れで始まった開幕戦で白星。「もう毎日毎日ゲーム、ゲーム、ゲーム。これは我々、喜びとして、そういう気持ちでぶつかっていきたい」と原監督は最後までテンションが高かった。