競泳“北島2世”佐藤翔馬の素顔 元五輪代表の恩師が語る
実は長崎氏は佐藤の幼少期、それも赤ちゃんの頃から“面識”がある。というのも、佐藤が水に慣れ親しむきっかけとなった「ベビーアクアティクス」を創設したのが長崎氏だ。生後6カ月から3歳までが対象で、スイミングスクールというよりは「親と遊びながら、水を大好きになってほしい」というものだ。
長崎氏が言う。
「佐藤選手もお母さんと一緒に、風邪もひかず、ほとんど休むこともなく通ってくれました。うちを“卒業”後も小学校4、5年生くらいまでは年に1度のクリスマス会に顔を出していました」
父、祖父ともに医者の家系に生まれた佐藤は、自身も現役慶応大生と文武両道。母の純子さんの厚いサポートにも支えられてきたという。
「佐藤選手は本当に素直な性格。お母さんも『最近はウチの子も反抗期で……』と言いながら、昨年リモートで行ったベビーアクアティクスのクリスマス会では、他の親御さんの質問に親子で仲良く答えていましたから(笑い)。お母さんからは『長崎先生には感謝しています。あの頃があったから水泳が大好きになった』と言葉をいただきましたが、水が好きというのは水泳選手にとって当たり前のようで、実はそうでもないんです。どんな選手でも、スランプ時はプールすら見たくないのが普通。純粋に泳ぐことが大好きというのはそれだけで強みになります」(長崎氏)
五輪に向けて「金メダルを取るには2分5秒台が必要になる。自分のできることをしっかりやりたい」と話した佐藤。競泳界の新星として、東京五輪ではどんな泳ぎを見せてくれるか。