“何から何まで”の慶応ボーイ・佐藤翔馬が200m平で五輪切符
2位の武良竜也の右手をがっしり握り、歓喜の表情を浮かべているのは、7日の競泳・日本選手権男子200メートル平泳ぎ決勝で優勝した佐藤翔馬(20)。
世界記録に0秒28及ばなかったものの、2分6秒40の日本新記録。このレースで3位だった渡辺一平の日本記録を4年ぶりに更新する泳ぎで初の五輪切符を獲得した。
「最初から最後まで自分のレースをすると決めていた。周りは全然、見えてなかった。自分でも驚くほど平常心で臨めたし、結構、いいタイムが出るんじゃないかと思っていた」とはレース後の本人だ。
都内港区出身。父親まで4代、医師が続く家系に生まれた。幼稚舎から大学まで慶応という生粋の「慶応ボーイ」。現在は大学3年生だ。
大学1年のときに出場したジャパンオープンは2位。このときは予選終了後に学校で授業を受け、戻ってから決勝に臨んだという。
水泳を始めたのは0歳。ヨットが趣味という父親の勧めだった。小学3年生のとき、男子平泳ぎで五輪2大会連続金メダルの北島康介を輩出した東京SCへ。今回の日本選手権で大先輩に一歩近づき、「僕も金を取りに行きたい」という。
慶応ボーイで、あくまで学校の授業優先。それでも世界記録に迫る日本新記録をマークした。何から何までそろった20歳がうらやましいというか、今後が楽しみではある。