“ダルビッシュジャパン”で生じていた温度差 代表内には 「雰囲気が緩んでいる」の声もあった
4番を任されながら不振に苦しんでいた村上宗隆(ヤクルト)には、「野球なんで気にしても仕方ない。人生の方が大事」などとリラックスの勧めを説き、準決勝、決勝での殊勲打につなげた。山本由伸(オリックス)がシャンパンファイト中に「ダルさん大好き」と叫んだのを見ても、いかに慕われていたかがわかる。
ダルは「気負い過ぎ。戦争に行くわけじゃない」「(世界一へのカギは)世界一を目指さないこと」などと、肩の力を抜くことの大切さを訴えた。栗山英樹監督も宮崎合宿打ち上げの際、「今回、ダルビッシュ投手一人でしたけど、明らかに化学変化が起こっている。選手に任せるところはしっかり任せる。選手の力を発揮させてあげられれば勝ち切れる」と話していたものの、チーム内では“ダル流”に対して賛否があったという。あるプロ野球OBが言う。
■規律や体育会気質を好む人間もいる
「ダルとは対照的に、栗山監督は『世界一しか目指しません。どんな手を使ってでも米国に勝つ』と肩に力が入っていた。そんなムードはコーチ陣やスタッフにも伝染。宮崎でのソフトバンク戦では守備のミスが目立ち、名古屋での中日戦(3日)では投手が崩れ、打線もしぼんだ。コーチ会議は重苦しい空気が流れたそうです。代表内からは、『雰囲気が緩すぎる。締め直さないと勝てない』『このまま選手任せでいいのか』という声も聞こえてきました」