球児は減る一方なのに…高校生の「プロ志望届」提出者はなぜ10年前から倍増したのか
育成選手の成功が脚光を浴びたことと、プロが門戸を広げたことが高校球児の背中を押しているというわけだ。
別のパ球団スカウトはこう分析する。
「転職が当たり前の時代です。育成入団でクビになったとしてもハクが付く、そう考える選手が増えている印象です。昔から『元プロ』は企業側にとっても需要がある。さらに、SNSの普及で球児とプロとの距離が近くなったのも一因でしょう。最近の高校生はスマホでプロの動画を見て、練習の参考にするのが当たり前。プロもSNSを使ってファンと交流する機会を増やしている。プロの世界がより身近に感じられれば、夢を抱きやすくなります」
大谷翔平の存在もある。
日本ハムからエンゼルスに移籍したのは17年オフ。メジャーで打ち立てた偉業はもちろん、日本が世界一を達成した今春WBCで圧倒的な存在感を示したことを、高校球児が知らないはずはない。
「大谷になりたい、とまではいかなくても、よりプロ野球選手に憧れを持つでしょう」(同)
野球人口に反比例するプロ志望者の増加は、それなりの理由があるようだ。
※20年、志望届提出が参加条件の合同練習会が開催された。