横綱曙も一大勢力に苦しんだ…伊勢ケ浜部屋はかつての二子山部屋のようになれるのか

公開日: 更新日:

 4月上旬に54歳で死去していたことが明らかになった第64代横綱曙さん。この外国人初の横綱を苦しめたのが、当時、角界随一の勢力で知られていた二子山部屋だ。

 1990年代の二子山部屋は目もくらむようなスター揃い。ただでさえ、前身の藤島部屋時代から若貴兄弟に加え、貴ノ浪や貴闘力、安芸ノ島が在籍していたところにもってきて、93年に二子山部屋を吸収合併したことで勢力を拡大した。

 最盛期は若乃花、貴乃花の兄弟横綱に、大関貴ノ浪がいて、関脇は貴闘力、安芸乃島、若翔洋。小結に隆三杉、三杉里、浪乃花、平幕は豊ノ海(番付はいずれも最高位)。彼ら10人が同時に幕内にいたこともあったのだから、対戦相手もたまったものではない。彼らを向こうに回して11回優勝した曙さんは凄まじいが、当時は他の部屋の力士からは、「同部屋対戦がないから、二子山部屋の力士はいいよな」なんて、やっかむ声もあったほどだ。

 そこに行くと、現在の伊勢ケ浜部屋も負けてはいない。3月場所は横綱照ノ富士を筆頭に、翠富士、錦富士、熱海富士尊富士と幕内に5人。尊富士は110年ぶりの新入幕Vを達成するなど、若手も伸びてきている。次の5月場所は宝富士の幕内復帰が濃厚で、6人となる計算だ。さらに一時的とはいえ今回、宮城野部屋の力士を受け入れたことで、さらなる勢力拡大の兆候もある。こちらも十両の伯桜鵬など、将来が期待されている力士が少なくない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇