優勝圏内に11力士も…琴桜は今場所勝たなきゃいつ勝つの? ライバルことごとく不在の大幸運
ここまでお膳立てが整っているのだから、「大関の責任を果たせませんでした」は通らない。
突出した力士がおらず、どんぐりの背比べが続いている大相撲。昨23日は2敗で単独トップだった湘南乃海に土がつき、3敗4人、4敗7人と、優勝圏内に11人もの力士がひしめく混戦となっている。
そんな中、3敗をキープし、初賜杯を期待されるのが、今場所からしこ名を祖父と同じにした大関の2代目琴桜(26=写真)だ。12日目は若元春に一方的に攻められて投げられるも、相手のヒザが先に土俵につき、かろうじて勝利。決まり手は「すくい投げ」も、実質、若元春の自滅である。
今場所の琴桜は「運」に恵まれている。これまで2戦2敗の朝乃山がケガで初日から休場。8戦全敗の天敵、横綱照ノ富士と、4勝7敗と分が悪かった大関貴景勝も、2日目から休場した。
苦手としている3力士がいない上、過去4勝3敗の宇良、7勝6敗の翔猿という難敵も下し、極め付きは「相撲で負けて勝負に勝った」この日の取組である。まさに追い風が吹いているといっていい。