映画
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コロナ禍で奮闘する「下高井戸シネマ」が多くの観客から支持されるワケ
コロナ禍の映画業界は今も多くの映画館が苦境に陥っている。都内を見渡しても、シネコン、ミニシアター、名画座などそれぞれに事情が違うとはいえ、厳しいことに変わりない。 そのような状況下で奮闘している映画館もある。新宿が始発駅の京...
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榊英雄監督に女性への性加害報道、最新作公開中止に…法的責任について弁護士の見解は?
俳優の榊英雄氏(51)が2013年~17年にかけて複数の女優に対して性行為を強要していた──とする9日付の文春オンライン報道を受け、榊氏が監督を務め、25日に予定されていた映画「蜜月」の公開中止が公表された。 製作委は公式ペ...
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そのジェンダー観、ホントに合ってる?「ガンパウダー・ミルクシェイク」が描く“女性解放”!
「女性らしさ」「男性らしさ」とはなんなのか? それは異性から好感を持たれる為の服装や対応などで記されることが多くあります。たとえば、女の子の物はピンクで男の子の物は青と区別されがちで、自然と「固定概念」を子どもにも植え付けてし...
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早くもアカデミー賞効果!「ドライブ・マイ・カー」と「おくりびと」の“違い”を紐解く
今年の米国アカデミー賞が例年にない注目を集めている。日本映画の「ドライブ・マイ・カー」(監督・濱口竜介)が、作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞の4部門でノミネートされているからだ。 このうち作品賞、脚色賞のノミネートは日...
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映画「ウエスト・サイド・ストーリー」が突き付ける“移民問題”という現代的テーマ
スティーブン・スピルバーグ監督初の本格ミュージカル映画「ウエスト・サイド・ストーリー」(公開中)の評判が上々だ。1957年初演のブロードウェー・ミュージカルを「ウエスト・サイド物語」(61年)に続く2度目の映画化。前作は歴史的な名作...
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「ドライブ・マイ・カー」米アカデミー賞ノミネートの“決め手”は…
先日、第94回米アカデミー賞ノミネートが発表されました。授賞式は日本時間の3月28日(月)。日本人の多くが、国際長編映画賞以外にも脚色賞、監督賞、作品賞でノミネートされた『ドライブ・マイ・カー』に注目しています。そもそもカンヌ国際映...
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「大怪獣のあとしまつ」は東映と松竹の共同配給、クレジット表記に滲む舞台裏
2月4日から公開された「大怪獣のあとしまつ」は、まぎれもない「問題作」である。問題作というと、政治、社会問題に切り込んだ社会派作品に捉えがちだが、もちろん、本作はそうではない。 これまでの映画の常識とは違った中身を打ち出した...
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Kōki,初主演ホラー「牛首村」はG区分、子供から大人まで全年齢OKなワケ
大ヒットを記録した『リング』が生み出された1998年以降、Jホラー(ジャパニーズ・ホラー)というジャンルが確立され、『リング』や『呪怨』(ビデオ版2000年、劇場版2003年)『仄暗い水の底から』(2002年)『女優霊』(1996年...
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クリント・イーストウッドは“令和の寅さん”か 映画「クライ・マッチョ」でモテモテ老人役
クリント・イーストウッド監督50周年記念作品「クライ・マッチョ」が先週公開され、話題となっている。1971年に「恐怖のメロディ」で初メガホンを取ってから今回が監督40作目。毎回、「これが最後か」と見る世間の予想を裏切り、91歳にして...
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「コーダ あいのうた」は映画館のスクリーンで見るべき作品だ
映画やドラマなどを見たあとの反応として、「号泣する」という言葉をときどき目にする。本当に「号泣」なのかと思ってしまうが、ある映画を見て、まごうことなき「号泣」体験をした。1月21日から公開された「コーダ あいのうた」(米=仏=加合作...
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志尊淳初監督作品も! 山田孝之さんら「MIRRORLIAR FILMS」が取っ払った“垣根”とは
「垣根なんてそもそもないんですよ」 そう山田孝之さんは『MIRRORLIAR FILMS Season2』完成披露試写会の控え室で私に言いました。そんな山田さんがプロデューサーとして、俳優仲間の阿部進之介さん、and pict...
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映画「ドライブ・マイ・カー」で注目 妻が若い男と浮気…なぜスルーできるのか?
妻を失った男の喪失と希望をつづったこの作品。人気映画「ドライブ・マイ・カー」(村上春樹原作)の公式サイトのイントロには、そんな解説が書かれている。重いテーマの下地になっている要素の一つが、妻の浮気だ。さて、妻の異変に気づいたら……。...
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コント赤信号・小宮孝泰インタビュー「年老いたって夢を抱くのは自由」
人間、何歳になっても夢を見ていたいが、年を取れば見たくない現実も見えてくる。「もし理想の女性を前にした時、自分の男性機能が失われていたら?」――そんな老境の赤裸々な葛藤をコミカルに描いた映画「桃源郷的娘」が1月21日より公開となる。...
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無念すぎる「岩波ホール」の閉館…偉大なる歴史と功績を振り返る
残念というより、無念である。老舗ミニシアターの都内・岩波ホールが、7月29日をもって閉館することが決まった。 オープンしたのは1968年の2月。54年の長きにわたる歴史に幕を下ろす。同館から届いたリリースには、「新型コロナの...
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日本人が「スパイダーマン」に惹かれるワケ 最新作出演のB.カンバーバッチ“浴衣ノリノリ”秘話も
2022年の幕開けは賑やかに華やかに、といきたいところに誰もが待ちわびていた『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が1月7日から公開。この若き主人公スパイダーマンの映画も、マーベル・コミックのスーパーヒーロー映画を軸としたマーベル...
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加賀まりこ主演「梅切らぬバカ」が大健闘!“名タイトル”に込められたメッセージ
ミニシアターを中心とした今年の映画興行は、邦画、洋画ともにヒットが少なかった。クオリティーが高い作品が多いのに興行に結びつかないことが増えている。大問題である。コロナ禍でかねてから映画館に足を運んでいたミドルユーザー、ライトユーザー...
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映画界・バリアフリーへの真剣な取り組み…「クライ・マッチョ」「コーダ あいのうた」など公開続々
今年、新たに誕生した映画祭にゲストとして登壇した時のことです。「みなとシネマフェスタ」といって東京都港区で映画祭を楽しもうと生まれたイベントで、親子で一緒に、あるいは障がいのある方も安心して鑑賞できるような、バリアフリー日本語字幕や...
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「シン・エヴァ」100億円超え、ディズニー作品不発…2021年の日本映画界を考察する
昨年同様にコロナ禍の影響をもろに被った今年の映画興行だが、現時点では昨年対比で110~120%台の興収で推移しそうだという。これをどうとるかはいろいろな見方がある。映画関係者に聞くと、この時世のなか、よく健闘したととらえる人もいる一...
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マーク・ラファロ主演「ダーク・ウォーターズ」環境汚染への関心高まりに期待!
レオナルド・ディカプリオやマット・デイモン、ホアキン・フェニックスとルーニー・マーラなど環境問題に取り組むハリウッドスターは多く存在します。特にレオナルド・ディカプリオは1998年に気候変動の暖和や災害救援の為の「レオナルド・ディカ...
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386世代の台頭から続く新たな北朝鮮観 映画「スティール・レイン」は監督の政治思想も反映
1950年に始まった朝鮮戦争は朝鮮半島を南北に分断。戦火は3年後の休戦協定で収まったが、今も終戦にはなっていない。その後、韓国と北朝鮮は一触即発の時期もあり、60年代には北朝鮮のスパイが韓国内に侵入。大統領官邸への襲撃未遂事件も起き...
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苦境続く成人映画…日活ロマンポルノ50周年の新作製作に期待すること
日活ロマンポルノが50周年を迎えた。東京に出てきた10代後半以降の若かりし頃から、夢中になって封切り作品を追いかけた筆者としたら、まさに感無量である。その歴史、思い出話、好きな作品については書かない。半世紀が経った今の時代に、ロマン...
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映画「サマーゴースト」が示す“命のあり方”の描き方…映像はセンシティブなテーマをどう扱う?
2021年、日本映画は「いじめ」や「命」に関わるテーマに目を向けている作品が多く公開されています。公開作を挙げるならば、西川美和監督の『すばらしき世界』は役所広司演じる罪を犯した男が、更生しようとする中で目にしてしまういじめも描かれ...
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洋画不振が止まらない!つまらない予告編にも要因があるのでは?
昨年来のコロナ禍以降、洋画興行の不振が続いている。何本もの大作、話題作が低迷している。今年は「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」(推定興収38億円)と「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」(推定28~30億円)が、洋画興行の1、2...
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映画「リスペクト」で考える日本のジェンダー平等 クイーン・オブ・ソウルが遺し訴えかけるものとは
“クイーン・オブ・ソウル”として知られ、グラミー賞20回受賞、女性初の「ロックの殿堂入り」を果たし、ローリング・ストーン誌では「歴史上もっとも偉大な100人のシンガー」第一位にも選ばれたアレサ・フランクリン。2018年8月16日に76...
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007、DUNE、燃えよ剣…話題作の長時間化が顕著だが、観客のトイレ問題は?
映画の上映時間が、最近やけに長いと感じる。もちろん、今に始まったことではない。ただここ3週間ほど、上映される映画館数が多い拡大公開や、知名度も比較的高い娯楽大作の長時間作品が集中した。これはかなり珍しいのではないか。何が背景にあるの...
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最高の贅沢?巨匠リドリー・スコット作「最後の決闘裁判」を観に行ったら“完全貸し切り”状態だった
言わずと知れた映画界の巨匠・リドリー・スコット監督の最新作『最後の決闘裁判』が15日より公開中だ。本作は14世紀末フランスで行われた最後の決闘という歴史的スキャンダルを、『フリー・ガイ』(2021)の注目女優ジョディ・カマーを筆頭に...
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仏映画「リトル・ガール」が描くジェンダー観…製作陣が込めたメッセージとは
学校教育の一環として子供たちにも見せたい映画が11月19日に公開されます。それは男の子の身体で生まれてきた7歳の少女サシャが、学校でスカートを穿かせてもらえず、男の子からは阻害され、女の子からは「男のくせに」と言われる中で、家族のサ...
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「ONODA」外国人が小野田寛郎の“物語”を製作した理由について考える
横井庄一と小野田寛郎の名を1970年代に知った人は当時、大きな衝撃を受けたと思う。第二次世界大戦が終結したあと、30年近くも南の島のジャングルに居続けていた。横井さんはグアム島、小野田さんはフィリピンのルバング島。そして、横井さんは...
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「007」ダニエル・クレイグのボンド卒業作 これまでと明らかに違うことは?
現在、公開中の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、6代目ジェームズ・ボンドとなるダニエル・クレイグのボンド卒業作品としても話題を呼び、全国週末動員ランキング初登場第1位という大ヒットとなっています。 その理由としては、ボ...
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木村拓哉主演「マスカレード・ナイト」好調の波に乗って…「教場」の映画化を待望する
木村拓哉(48)主演の「マスカレード・ナイト」が公開初日から12日目で、早くも興収20億円を超えた。現時点では、今年公開された邦画の実写作品の興収トップは「東京リベンジャーズ」(推定43億9000万円)。最終的にこの数字に肉薄しそう...