映画
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ジョニー・デップ主演「MINAMATA」に続き「ONODA」も 外国人が描く日本の歴史から見えるものとは?
今、一本の映画が話題になっています。主演俳優はハリウッドスター、ジョニー・デップ。彼がプロデューサーとしても参加しているその映画とは、日本の四大公害のひとつである水俣病を撮影し世界に伝えた写真家ユージン・スミスの物語『MINAMAT...
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沢口靖子主演「科捜研の女」は東映のもとで映画化されたことに意義がある
沢口靖子主演の「科捜研の女 -劇場版-」が公開中だ。面白い。コロナ禍の中、ダイレクトな問題提起を作品の中心点に持ってきた劇構造に見応えがあった。 健康に好影響を及ぼす、ある細菌使用をきっかけに自殺とも殺人とも判別の難しい大学...
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「レミニセンス」ヒュー・ジャックマン主演、ノーラン弟が手掛ける新記憶ムービーの見どころ
突然ですが、記憶というものは私たちに一体どのような影響を及ぼすのでしょうか。時に人はそれに囚われ思い悩み、また時にそれは夢として現れ、過去の恋人との再会まで果たさせてくれる記憶。それは哲学のみならず、映画にとっても一大テーマになりえ...
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「孤狼の血 LEVEL2」今年最高級の傑作! 松坂桃李×鈴木亮平×村上虹郎×中村梅雀“演技の妙”
8月20日から公開された「孤狼の血 LEVEL2」が、今年最高レベルの傑作だった。刑事とヤクザの激闘を描き、往年のヤクザ映画の系譜につながる作品である。2018年に公開された「孤狼の血」を踏まえた作品だが、原作(柚月裕子)があった前...
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映画「白頭山大噴火」が描いた危機 韓国人は北朝鮮の核の脅しには楽観的?
韓国には南北統一省があるが、私はこれまで一度も本気で北朝鮮との統一を望んでいる韓国人に会ったことがない。皆、戦争はしたくない。だが、このまま統一せず、国交正常化したほうがいいという意見だった。 理由は聞くまでもない。あまりに...
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細田守監督「竜とそばかすの姫」絶好調も…ディズニー映画“丸パクリ?”と疑惑の声
今夏、細田守監督の「竜とそばかすの姫」が好調だ。7月16日に公開し、動員数は376万人、興行収入は52億円超え(22日時点)。夏休み映画では独走中だ。 カンヌ映画祭で上映され話題を集めた同作だが“パクリ”疑惑の声も大きくなっ...
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「スペース・プレイヤーズ」は新旧WB祭り!お馴染みのキャラクターが映画ファンを増やす心理
見慣れた芸能人に親近感を持つように、実際に会わずとも広告やメディアなどで何度も目にしている人物に対して人は親しみを覚えます。これを心理学では「単純接触効果」と言うのですが、その頂点に立つのがミッキーマウスやムーミン、スヌーピーなどで...
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ディズニー戦略に異変アリ!「フリー・ガイ」が提起する劇場公開と配信ビジネスの未来
先週8月13日からスタートしたアクション大作「フリー・ガイ」が、全国524スクリーンでの公開を果たした。ディズニー作品の500超えは本当に久しぶりで、背景として今年3月の「ラーヤと龍の王国」以来、同社の上映を控える大手シネコンが目立...
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見惚れる!カンヌ“4冠”の傑作「ドライブ・マイ・カー」が描く大人のいとなみの必然性
「インティマシーコーディネーター」という言葉を聞いたことはありますか? Me Too運動が盛んなハリウッドで生まれて間もないお仕事で、日本ではNetflixオリジナル映画『彼女』(2021年)から初めて導入されることになった職...
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市川崑総監督が示した記録映画「東京オリンピック」は今こそ見るべき
五輪真っただ中だからこそ、記録映画「東京オリンピック」(1965年公開)を是非とも見ていただきたい。今の五輪を考える上から、本作にはとても大きなヒントがあると思えるからだ。 この作品は周知のとおり、64年に開催された第18回...
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被爆2世が受け継ぐ“8.6”…「8時15分ヒロシマ 父から娘へ」製作の思いを美甘章子さん語る
1945年8月6日、世界で初めて広島に投下された原子爆弾。公開中の映画「8時15分 ヒロシマ 父から娘へ」(新日本映画社配給)は、わずか1.2キロの至近距離で被爆した美甘進示さん(昨年10月没、享年94)の壮絶な体験を、家族総出の手...
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いじめ問題を若者と考えるために…話題作「少年の君」が提示するもの
(編注:若干のネタバレを含みます) 静かながら確実に名を広げている映画が公開中です。それは第39回香港電影金像奨では作品賞・監督賞・主演女優賞を含む8冠受賞、更に第93回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた「少年の君」...
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映画賞候補!芳根京子「Arc アーク」で挑んだ前代未聞の挑戦、17歳から100歳超まで演じきる
新型コロナウイルスが猛威を奮う世界の中で、ワクチンを打たない選択をする人もいます。個人の意思を尊重する現代社会で、コロナ禍により重症患者の方が亡くなられたりと誰もが「死」を身近に感じるようになってしまいました。 そんな中、公...
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夏休み映画の話題作「返校 言葉が消えた日」が描く圧政下の台湾、その評判は?
ことしの夏休み映画の話題作のひとつが台湾映画「返校 言葉が消えた日」だ。ホラーゲームを実写化したダークミステリーで、高校を舞台にした青春ものでもあるのだが、キャッチコピーは「自由が罪と教えられた時代。あなたなら、どう生きましたか?」...
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大手のTOHOシネマズが「レディースデイ廃止」に踏み切った! 各社の動き、割引日は減る?
国内最大手の興行会社であるTOHOシネマズは、長年親しまれてきた映画館の割引サービス「レディースデイ」を、7月7日をもって終了した。レディースデイは女性のみの割引サービス(1200円)で、同社系列のシネコンは毎週水曜日が実施日であっ...
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映画「走れロム」が描くベトナムのタブー 勝てない“闇くじ”に託すしかない人生
ベトナムは日本にとって最大の出稼ぎ労働者の送り出し国だ。そのベトナムのタブーを暴いた映画が今週金曜日(9日)から公開される。チャン・タン・フイ監督の「走れロム」である。 同作では、ベトナム最大の都市・ホーチミンの裏町を舞台に...
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対岸の火事?妊娠中絶に苦渋する少女たちのリアル…米映画「17歳の瞳に映る世界」
“ジェンダーバイアス”はまだまだ世界的問題であり、女性にとって不利な刑法まで存在するのですが、その歪みにメスを入れる映画が7月16日に公開されます。それは『17歳の瞳に映る世界』というアメリカ映画であり、第70回ベルリン国際映画祭銀熊...
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映画「トゥルーノース」在日4世・清水ハン栄治監督が描く極限状態の心理
北朝鮮の政治犯強制収容所で生きる家族のドラマを3Dアニメーションで描いた映画「トゥルーノース」が話題だ。カンヌ国際映画祭のアニメ部門から独立した世界最古のアニメ映画祭、アヌシー国際アニメ映画祭にノミネートされたほか、メディアアート界...
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「夏への扉」で痛感!山﨑賢人は“等身大”の成長物語で輝く
俳優のインタビューでよく耳にするのが「普通であること」というワード。これは俳優にはとても大切なことで、毎回、「スター・ウォーズ」よろしく遥か彼方の銀河系が舞台になるわけではなく、普通の人の日常の出来事をつづった作品から観客は主人公に...
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心震わせる「るろうに剣心」最終章史上初ワンツーの必然
興味深い現象が起きている。「るろうに剣心」シリーズ2部作の1本にして完結作である「るろうに剣心 最終章 The Beginning」(6月4日公開)と、前作「るろうに剣心 最終章 The Final」(4月23日公開)が週末の興行ラ...
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コロナ禍とシネコン 要請緩和も公開作渋滞でテンヤワンヤ
2021年4月末から3度目の緊急事態宣言で休業要請・協力依頼を出されていた東京都内の映画館。存続の為にも感染対策をしながら上映を続けていたミニシアターと違い、要請を受け休館していたシネマコンプレックス(以下「シネコン」)が映画の日で...
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アカデミー賞の主役はNetflix! コロナ禍の必見映画ガイド
政府はコロナ禍の緊急事態宣言について6月20日まで延長する方針を決定。映画館の営業は一部再開したものの、自宅や自室で過ごす時間はいやが上にも増えるばかり。だが昨今は居ながらにしてNetflixやアマゾンプライムなどで大いに映画を楽し...
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櫻井一葉氏「最も苦しいのは中小規模の映画の製作委員会」
「五輪はOK、歌舞伎や演劇もOK、だけど映画はダメ。そんな事を言うなら科学的根拠を示してもらわないと、私たちは芸術や文化として認められていないのかと差別感すら感じてしまいます」 ため息交じりに語るのは、9都道府県への緊急事態宣...
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「いのちの停車場」公開は弔い合戦? 映連“抗議”の行方は
映画界が、怒りをにじませる様々な声明の発信を続けている。映画館の団体である全興連(全国興行生活衛生同業組合連合会)に続き、邦画大手4社で構成する映連(日本映画製作者連盟)は24日、6月1日からの「映画館の再開」の要望と併せて、休業要...
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「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選2」の見どころを解説
ジャン=ポール・ベルモンドの作品(計5本)が見られる。5月12日からの新宿武蔵野館の営業再開に伴い、同14日から上映の運びとなった(同館を皮切りにテアトル梅田、名演小劇場、京都シネマ、シネ・リーブル神戸ほか、全国にて順次上映予定)。...
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主演作「ファーザー」アンソニー・ホプキンスの怪優際立つ
「お父さん、お父さん!」 ヘッドホンで音楽を聴いていると、ひとり暮らしの部屋へ怒った顔の娘アンが入ってくる。 「何の用だ」 「何だと思う?」 アンソニー・ホプキンス(83)が第93回アカデミー賞で史上最高齢...
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「ミナリ」ユン・ヨジョンが韓国人初アカデミー助演女優賞
「ブラッド・ピットにやっとお会いできました。映画撮影中どちらにいらしたのでしょうか?」 ■ブラピが製作陣 4月26日午前(日本時間)、米ロサンゼルスで行われたアカデミー賞授賞式で、助演女優賞を受賞し、プレゼンテーターであ...
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3度目宣言発令へ 劇場版・名探偵コナン“興収100億円”は?
「名探偵コナン 緋色の弾丸」が公開される前、配給を担当する東宝の関係者から、「(興行収入)100億円超えの手応えは十分にある。懸念は、新型コロナウイルスの影響だけだ」という話を聞いていた。2年ぶりシリーズ最新作へのこれまで以上の大きな...
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近年アカデミー賞作品は人生相談室みたいなシケた話ばかり
3月初め、某新聞に載った、32歳の芸術家の記事は楽しかった。さすがに芸術家らしい発想、こんな偉業(!)を成し遂げたとは大したもんだと羨ましかった。映画化できないか、今日び、こんな稀有な体験記もありだろうと触発され、ご本人に連絡を取ろ...
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田中邦衛さんは「日本一ももひきが似合う俳優」でもあった
俳優の田中邦衛さんが亡くなった。88歳だった。著名な俳優の逝去は人によって思いが異なる。1961年から始まった加山雄三主演の「若大将」シリーズの青大将がすぐに浮かぶ人。81年スタートのテレビドラマ「北の国から」の黒板五郎が強烈に甦る...