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大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

無念すぎる「岩波ホール」の閉館…偉大なる歴史と功績を振り返る

公開日: 更新日:

 残念というより、無念である。老舗ミニシアターの都内・岩波ホールが、7月29日をもって閉館することが決まった。

 オープンしたのは1968年の2月。54年の長きにわたる歴史に幕を下ろす。同館から届いたリリースには、「新型コロナの影響による急激な経営環境の変化を受け、劇場の運営が困難と判断いたしました」とあった。しかし、「新型コロナの影響」だけが原因とは思えない。ここ数年、ミニシアター興行、いわゆる単館系興行は厳しさを増していた。それは岩波ホールでも無縁ではなかった。いわばコロナ禍はそこを直撃したと思われる。

 岩波ホールは、1980年代に起こったミニシアターブームの先駆けの映画館である。同年代初頭からブームとなるミニシアターの原点だ。2人の女性が、その礎を作った。同館総支配人(当時)の高野悦子氏と東宝東和(当時)の川喜多かしこ氏。2人は通常の興行網に乗らない芸術性の高い映画、その後アート系といわれる作品の上映を推進した。1974年、最初の作品がサタジット・レイ監督の「大樹のうた」だった。上映範囲は世界各国の映画に及んだことは他の記事に多く出ている。

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