白石あづさのへんな世界
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富士山が見える最遠は、和歌山の色川富士見峠
この連載も最終回。最後に選んだのは、「地球の丸さが分からない」という私の長年のもやもやを解消してくれる本だ。その昔、西回りに世界一周の旅に出て東から戻ったので球体であることは確かなのだが、歩いていて…
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中央区は石マニアを狂喜させる宝の山
私が暮らす築地は銀座や東京駅、日本橋あたりまで徒歩圏だ。散歩がてら新しい店を探したり、人々のファッションを見るだけでも楽しい。しかし、その中央区が、石マニアを狂喜させる宝の山であるという。そんなに石…
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白石家では不景気の波が来たとたんコロッケが続いた
何という恐ろしい本が出たのだ。アナコンダや殺人アリよりも怖い自営業者の老後。震える手でページをめくれば、著者は女性イラストレーターで、若い時に比べて、50歳を過ぎた今は、収入が3分の1に激減したとい…
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「カゴメ」って籠? 「夜明けの晩」っていつ?
アフリカを旅していたとき、こんな話を聞いた。駐在の日本人の番犬が毒を盛られて泡を吹いていたら、翌日、強盗が来る合図かも。先にワンワン吠える犬を殺しておくからだ。即座に近所の日本人が集められ、手をつな…
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「身の丈を超える」ことを信条とする変人一代記
日本橋の忍者イベントに行ったら、忍者服で現れたおじさんがウキウキしながら「忍者が日本を救う」とか語っている。この忍者おじさん、誰? その正体は、大阪観光局の局長。さらに大分トリニータをつくった男だと…
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帝国データバンク調査員が明かす地獄エピソード
一流大学を出て、大手企業に就職したはずの友人が暗い。聞けば、ボーナスは現物支給、ついにライバル企業に吸収され、見切りをつけて転職していく同僚を「あいつも脱北」、親会社との間にある垣根を「38度線」と…
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怒りを鎮めてもらうために火山に神様に官位授与?
日本のアルプスは美しいが、胸に月のマークをつけたアイツが潜んでいる。スポーツ万能なツキノワグマだ。一度、山で遭遇したが思ったより小柄で相撲取りなら突き落としで勝てそうだ。しかし、これが北海道の横綱、…
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「極楽往生、1名入りま~す」
以前、このコーナーで「大阪弁訳法華経」を紹介したとき、「仏様の種類ってスタバのメニューくらい複雑だなあ」と驚いたのだが、そのややこしい登場人仏(物)と役割を分かりやすく解説したのが本書である。 …
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レディー・ガガもびっくりの奇抜な髪形
世界を旅できても時代は旅できない。フランスで訪れたベルサイユ宮殿は豪華だったが、18世紀の全盛期をのぞいてみたかった。本書では上京し世界一の髪結いを目指すレオナールが見た宮殿の中が書かれているが、派…
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絶海の孤島上陸のためクライミングジム通い
朝からうちの出窓に飛来するハトたち。ポッポ、ポッポと騒ぎ立て、白いフンをプイプイまき散らす。どうにか撃退したいと、テクノを大音量で流してみたらクルックー!! とノリノリで逆効果だ。 そんな謎…
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ええやん、法華経。さすが何千年のベストセラー
大阪弁の法華経というだけで衝撃なのに、表紙には通天閣と張りぼてのフグ、サングラスでパンチパーマの陽気なおっさんは、なんとお釈迦様だ。お経の中身が真面目で退屈だから、大阪弁のノリで押し切る作戦か。 …
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闘牛のあとの「公開処刑」は束の間の安らぎ?
人間の長い歴史の中で最も恵まれた人々といえば、巨大なローマ帝国を築いたローマ市民ではないだろうか? 前作「奴隷のしつけ方」が話題となった古典学者のジェリー・トナーが、マルクスという架空のローマ貴族に…
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傘貸し業から蝋燭番までユニークな職業が満載
アマゾン川を小船で下っていたら、2メートルものワニを抱えたおじさんが森の中から突然現れ、「抱っこする?」と聞いてきた。ガイドが「ワニ貸し業だよ。船が通るのを待っているのさ」という。ワニは肥えていたか…
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マルサの男たちは尾行のプロなのだ
謎の国、北朝鮮ツアーに誘われたことがある。しかし、協調性のない私は団体行動が窮屈で仕方がない。 「一人で歩かせて!」とごねると、北朝鮮のガイドさんが「夕食前に帰ってきてね」と30分だけ野放しに…
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東京マラソンは江戸の参勤交代とそっくり
トップ選手ばかりテレビに映るが、東京マラソンを楽しむなら終盤の仮装ランナーを見物するのも楽しい。背中に「愛媛」と書かれた全身オレンジタイツに頭にはミカンのかぶり物をしたランナーに続いて、元気なりんご…
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“これは使える”と共感した「社畜技」
桜の花が咲くころに甘い恋の話……でも聞けたらいいのだが、年度末に発表される異動に戦々恐々のサラリーマンも多いだろう。次の上司がモンスターだったり、お局さまの席と隣になったり、はたまた自分が北の果てに…
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直したつもりでも直ってない
モズクのようにドロドロ絡み合った男女関係、切りたくても切れないネバネバ納豆親子、ワサビたっぷりの寿司のごとく外からは分からぬがツンと涙が出る夫婦生活。科学で解明できない人間関係の不思議をシニカルな視…
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英国人は食事がまずくても平気な理由がわかった!
スリッパのような弾力の強情ステーキ、砂漠に置き去りにされた気分になる塩スープ、丸1日煮込んだのではないかと思われる泥パスタ……東アフリカの国々で出される投げやりな料理の数々。自分で作ったほうがましだ…
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カルト村の生活は案外楽しいかも
10年以上前、ハバナでお腹の大きな日本のコギャルちゃんに会ったことがある。キューバ人のダンナでもいるのかと思ったら、「日本の彼が妊娠と聞いて逃げちゃって。お金もなく困っていたら、六本木のキューバ人が…
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ルワンダで出会ったゴリラに思わず「お父さん!」
縁あってサル学者の先生方の忘年会に呼ばれたことがある。オランウータンの先生が「最近、あいつはキイキイ怒りっぽいんだ」と体を揺すって言えば、「日本ザルに似たんだな。キャキャキャ!」と笑う先生はリスザル…