ダンツマ ~男が泣いて喜ぶツマミ
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【大根とセロリの紹興酒漬け】爽やかさが際立つ
「お酒を楽しみながら、おいしいものをつまんでほしい。がっつり料理を食べたい、というのは、ウチはちょっと違うかな……」 物静かな、穏やかな口調でそう語る。2軒目の利用、おひとりさま大歓迎。酒が進…
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【ゴーヤのアンチョビマリネ ユッケ風】苦みと辛みが変化
見た感じは“和風”である。なにしろゴーヤは洋食でめったに使われない食材だ。卵黄までトッピングしてあるのだから、なおさらだろう。豆腐と一緒に炒めたり、おかかと和えたりすることも多いが、いずれも和食のメ…
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【鶏のイタリア風チャーシュー】ジューシーで香ばしい
鶏肉は火の入れ方が難しい。生焼けは論外としても、焼き過ぎればパサパサで口当たりが悪くなる。だから焼き鳥屋は実力差が出る。 学生アルバイトの兄ちゃんが炭焼き台を任されているような店は、たいがい…
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【長ナス、モッツァレラ、バジルのオーブン焼き】クルクルと丸めたグラタン
火を通すとトロトロになるナスは、コクのあるチーズと相性がいい。野菜の甘さと乳製品の塩っ気が口の中で溶け合うと、濃厚で複雑なうまさを放つようになるのだ。 それでは、どんなふうに調理すれば、2つ…
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【マダコのゼッポリーネ】ナポリならではの海藻入り揚げ物
なぜか夏になると揚げ物が恋しくなる。昼はそうめんや冷やし中華で衰えた食欲を満たすことがあっても、日が落ちればアツアツのサクサクをキンキンに冷えたビールで流し込みたい衝動に駆られるのだ。 ゼッ…
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【生シラスのアラビアータ】ピリ辛の香ばしいソースをまとった濃厚な珍味
唐辛子とトマトで作るアラビアータは、イタリア料理を代表するソースだ。トマトの甘味、酸味、唐辛子の辛味、そこにニンニクとオリーブオイルの風味まで加わるのだから、うまくないはずがない。アルデンテに茹でた…
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【鶏とアンチョビーのポテトサラダ】パンチ力抜群でも上品
「米国、豪州と海外をフラフラしていた二十歳のころにレパートリーに加わった一品です。お金がなく、その日暮らしという生活。安くて腹にたまるというだけで、ジャガイモをよく使った。でも、さすがに飽きる。そんな…
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【手づかみ棒棒鶏】脇役のキュウリが見事に主役へ昇華
面白いアイデアだ。本来は付け合わせのキュウリに棒棒鶏の具材とソースを挟んでしまおうという発想である。 「友人にバーベキューに誘われて、箸も皿も必要のないツマミがあったら便利だなと。簡単で、おい…
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【鳥ひき肉と豆のカレー】包丁も時間もいらない
上等な肉を買い、香味野菜を揃え、コトコトと何時間も煮込んだカレーは確かにうまい。たまの休日に包丁を握り、「金と時間を惜しんじゃあ、おいしいもんはできないんだ」と家族に胸を張る料理自慢のオトーサン、お…
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【鳥と塩昆布のそうめん】そうめんも立派な酒の肴になる
いきなり、シメのような料理が出てきた。オーダーしたのは、白ワインに合うツマミだ。きれいに盛り付けられた皿の上にあるのは、どう見ても極細パスタのカッペリーニである。 戸惑っていると、「試してみ…
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【水晶鳥の梅ソースがけ】トゥルッと喉を通る快感
まず、食感に驚く。火を入れた鳥の胸肉にありがちな、パサパサ感が一切ない。軟らかく、そして、ジューシーだ。 喉越しの良さにもうならされた。トゥルッと滑り込んでくる瞬間は、快感ですらある。どちら…
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【しいたけのブルーチーズ焼き】チーズには赤ワインと決めてはいけない
伊藤さんは時々、テキーラを「朝飲む」という。 「シャンパンとか飲むと、もう一日ダメになっちゃうけど、テキーラには覚醒作用があるんですよ。だから、シャキッとするんです。もちろん、だらだら飲んで酔…
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【豆腐ステーキのコンビーフのせ】100点満点ツマミの王道
店では卵かけごはんというメニューがある。ごはんの上にコンビーフと卵。このコンビーフは「千駄木 腰塚」の特製だ。昭和24年創業の伝説の店で、TVでも、ここのコンビーフを使ったTKGが話題になった。 …
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【蒸しナスの中華サルサ】何でもかければそれがサルサ
サルサとはメキシコでソースのこと。かけるものはみんな「サルサ」だ。またポン酢が出てきた。 「なるべく、材料も少なくして、手間暇かけないのがおつまみの基本。ポン酢はダシも入っているし、便利です」…
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【紅ショウガハンバーグ】店の裏メニューの“アレ”が変身
スーパーなどによく売っている紅ショウガの袋は大体、50グラムだ。ということは、それが半分以上、ドーンと入る。しかも、みじん切りではなく、千切りのを買ってきて、そのまま切らずに使うという。 「私…
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【白菜とベーコンのコールスロー】テキーラの香りと融合
大手出版社にいたのになぜ、辞めたのか? 「3.11も大きいですね。一日一日大事にして、好きなことをやろうと思いました」 それがなぜテキーラバー? 「テキーラってこれほど、評判が悪…
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【エビのカナッペゴイスアルギ風】飽きっぽいシェフの定番
関山さんはどういうときにおつまみを思いつくのだろう。 「築地市場に行って、いい素材、安い素材、季節ものに出合ったときですね。これで何かできないかなと。でもね、基本的には同じものを作っていると飽…
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【フロマージュドテット】豚のすべての部位を味わい感謝
難しい名前だが、簡単に言えば、豚の煮こごり。でも、関山さんの手にかかると、こんなに美しく仕上がる。 材料を見て、ちょっと驚かれた方もいるだろう。こんな食材、手に入るのか? 「お肉屋さん…
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【ライスコロッケ】前菜、つまみとして米を食べる
なぜ、米屋のせがれだった関山さんはワインレストランを開いたのか。 「学生時代から飲食店でアルバイトしていましたが、大学の卒業旅行でスペインに行ったんです。現地の人が楽しそうで、何となく、お店を…
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【ジャガイモ ベーコン キャベツのおやき】冷蔵庫にあるものをザク切りするだけ
関山さんの「おつまみ哲学」とは何だろう? 「家にあるもの、冷蔵庫にあるもので飲んでるうちにできちゃうものかな?」 この哲学を見事に具現化したのがこのメニューだ。ジャガイモ、キャベツなら…